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タコパ


いつも読んでいただきありがとうございます!


放課後の教室。


商店街への買い出し。


友達との他愛ない会話。


特別な事件なんて何もない。


でも、振り返ってみればーー


そういう日こそ、一番大切だったりする。


今回は、なおきの家で四人がタコパをするだけの尊いお話です。



最近は、学校で凪ちゃん、なおき君、神谷と話すことが増えた。


なんとなく凪ちゃんとなおき君の席が前後なのもあるけど、やっぱりこの4人は、絶妙な距離感とテンポで一緒にいて楽しいのだ。


「ねえねえ、そういえばさあ 誰かの家でみんなで遊びたくない?!」


ある日、凪ちゃんが突然言い出した。


大体唐突にこういうことを言い出すのは決まって凪ちゃんだ。


「いいねー!」


「確かに、楽しそう」


あめも頷く。


「…ってか、女子の家とかハードル高くない?!」


神谷が真顔で言った。


「分かる、それ」


なおき君も即座に同意する。


「じゃあ俺んちか、なおきんちになるけど…なおきどう?俺んちでもいいんだけど、電車でちょい遠いし」


「んー…まあ、ウチでもいいけど」


「何その間」


「いや…僕にこんな青春ラブコメみたいなイベントが学祭に続いて発生するのが夢みたいで」


「…」


「やばい、なおき。俺も急に緊張してきたわ」


「だよね?!」


「ってかそこの男子2人!!私とあめちゃん、普通にまあまあ可愛いからな? 感謝しろよ」


「なんか2人、急に圧が強いんですが」


そんな流れで、なおき君の家に決まった。




そして当日。


高校生の《パ》の定番といえば!


《タコパ》である。


「ってか僕、嬉しすぎるんだけど!友達とタコパとか!!」


「今さらだけど、僕ってみんなの友達だよね?!」


「不安がるな!殴るぞなおき!!」と神谷。


「なおき君!万が一外すなら神谷を外すから!!」と凪。


「凪!今すぐ俺のお母さんに謝れ!!」



「あはは、今更何言ってんのよ!」とあめも言った。


「本当、学生ライフ初心者みたいだよね」


「そこ否定できない」


なおき君は苦笑した。


そんな話をしながら、4人で商店街へ買い出しに向かう。


「凪、たこ焼きって何がいるっけ?」


神谷が聞く。


「分からん。粉の裏見て買おう」


「さすが凪ちゃん」


「流石なの?」


「雑すぎん?!」


そんな他愛ない会話すら、あめにはなんだか嬉しかった。


何よりーー


この商店街は、去年のクリスマスに来た場所だった。


あの日。


商店街のクリスマスツリーは、SNSで《奇跡のツリー》なんて呼ばれて、一時期かなり話題になった場所。


だからこそ、ここへまたみんなで来られたことが、少しだけ特別に思えた。


そして、ひと通り買い物を済ませて、なおき君の家へ到着。


私と凪ちゃんはネギやタコを切り分け、神谷は持参したたこ焼き機を準備し、なおき君はテーブルとコンセントを整える。


「なんか、女子高生がうちに来てタコパの材料切ってるのとか尊いなー」


「なおき、良かったな!次俺んちなみんな!!」


「…。」


「なんか言えな!!」



ーー


そしてみんなで輪になってタコパが始まった。


「凪ちゃんとあめちゃんが買ってたチーズとソーセージ、めっちゃ美味くない?」


「お、分かる奴いるじゃん!神谷、なおき君を見習え」


「ってか2人食べるの早くない?私まだ一個しか食べてないんだけど」


「私もなんだけど?! もう無いよ?!」


「神谷!!」


「おいおい、それ言うならいつもなおきだろ」


「確かにそれは言えるわ」


「あはは!!」


「なおきくん、好きなだけ食べてね!」


「俺との格差顕著すぎん?」


「難しい言葉使ったから神谷ダウト」


「凪、相変わらず意味わかんねぇー」


「あはは」


みんなで笑った!!


凪ちゃんは、いつも勢いが真っ直ぐで、一緒にいると笑いが絶えない


その時だった。


「あれ? たこ焼き飛んでね?」


神谷が真顔で言う。


「え? たこ焼きって飛ばないの?」


「あ、飛ぶのか!」


「飛ばねえよ!!」


あめが即ツッコむ。


「あめちゃんもツッコむんだねー」


「やめろー、恥ずかしいから、あはは」


笑い声が広がる。


そんな中、テレビの横に並ぶ何枚かの写真立てに目が止まった。


「あ、結構写真あるんだね」


「うん。みんなで行った写真」


なおき君は少しだけ笑って、


「…あ間違えた!これ全部、ほぼ一人で行ったやつだったわ」


そう言ってなおきは受け流した。


子どもの頃のお父さんとの写真以外、並んでいるのは全部、自撮りだった。


「お父さん優しそう!なおきくんに似てるね」あめが言う


「本当だ」凪と神谷も言った!」


「ありがとう!」


商店街のクリスマスツリーの写真もある。


――あの《奇跡の日》の写真。


「この時、綺麗だったよね」


「え? いたの? この時」


「やばかったよね。氷が弾けたり、水が吹き上がったり」


「私の家族の知り合いがやったんだって」


あめがそう言った瞬間ーー


なおき君の目線が、ほんの一瞬だけ変わった気がした。


それから。


みんなでたこ焼きを焼いて、ゲームして、

くだらないことで笑って。


時間は、あっという間に過ぎていく。


「……なんかさ」

凪がぽつりと呟く。

「私、このメンバー楽だなー」


「あー……分かる」

私も自然と言葉が出た


神谷も頷く。

「俺も思ってたわ」


「僕も」なおきが言った


「私が先に言おうと思ってたのになー凪ちゃんずるいよー」


「あはは。まあ、みんな思ってたならいっか!」


その空気が、なんだか少し嬉しかった。



この先、何が起きるかなんて分からない。


でも今だけは…


この時間が、ずっと続けばいいのになと思った。



ここまで読んでくださってありがとうございます!


今回は、なおき・あめ・凪・神谷の四人でタコパ回でした。


作者的にもかなりお気に入りの日常回です。


特別な事件もなく、ただ友達同士で笑って過ごすだけの時間。


でも、そんな何気ない時間ほど大切だったりします。


特に《あめ編》は、得意のファンタジーを出さずそこを意識しましたww


そして――


次回から物語は大きく動きます。


それも、学校や街だけではありません。


もっと大きな場所。


もっと大きな存在。


四人の日常を揺らす出来事が始まります。


『私見えてます?』第三章も、いよいよクライマックス!


天界レベルで物語が動き始めます。


そして、オリジナルスキルが…


どうぞ最後までお付き合いください!


ブクマ、評価もよろしくお願いいたします。

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