学祭と青春ラブコメ③
文化祭二日目。
今日はメイド喫茶ではなく、お客さんとして文化祭を楽しむあめ達です。
そして最後は、この学校伝統の後夜祭。
青春っぽいイベントって、やっぱりいいですよね。
それではどうぞ。
クレープの匂い。
焼きそばの湯気。
中庭ライブの音。
校舎全体が、
いつもと違う熱を持っていた。
二日目。
今日は自分達も見学側だ。
「あっ!!見て見て!」
凪ちゃんが指差した。
廊下の先。
メイド喫茶の前に長蛇の列が出来ている。
「うわ、すご……」
「昨日はあそこで働いてたんだよね!?凄い!お客さんいっぱい…」
あめが驚きながらも少し誇らしそうに笑う。
教室の前を通ると、
クラスメイト達がまだ接客していた。
「おーい!雨宮ー!」
「今日も大盛況だよー」
とクラスメイト
「頑張ってー私達は今日他のクラスの展示とか回るから」
昨日までは店側だったのに、今日はお客さん側、接客も見学もどちらも楽しい!
「あめー!早く!」
凪ちゃんが腕を引っ張る。
射的。
お化け屋敷。
演劇。
写真スポット。
途中で神谷となおきくんとも合流した。
「なおき、そのジュースどこで買った?」
「三組のタピオカ屋」
「男子高校生がタピオカ持ってるの地味に面白い」
「神谷も買っておいでよー」
「ついでに私とあめのもね!」
凪が舌を出した。
そんな、どうでもいい会話が妙に楽しい。
中庭では軽音部がライブをしていた。
ギターの音。
ドラムの振動。
歓声。
文化祭だからこその空気。
「青春って感じだなー」
神谷が空を見上げる。
「神谷も十分青春側の人間だけどね」
凪が即座にツッコんだ
ーー
気づけば夕方になっていた。
校庭。
ここからは後夜祭。
校庭に大きな輪を作って踊るフォークダンスは、この学校の伝統らしい。
少しだけ肌寒い風。
「この学校の言い伝え知ってる?」
凪ちゃんがニヤニヤしながら言う。
「フォークダンスの後、最後に手を繋いだ人と付き合うって言い伝えがあるんだって!」
「うわ、ベタかよ」
神谷が笑ってはいるが、その辺はやっぱりみんな高校生だ。
なんだかんだ、男子も女子もキョロキョロしている…
曲がクライマックスに差しかかった、その時!!
どんっ。
誰かにぶつかって押されたなおきくんがよろけてその手が、なぜか神谷と繋がった。
「……」
「……」
数秒の沈黙。
「やったじゃんなおき、神谷!!」
クラスの男子が盛り上がっている
「なんでだよ!!」神谷が苦笑い
「おめでとう!!」
「あ、どうもありがとう!!」となおき
「なおき、お礼言わなくていいから」
神谷が焦る!
「照れるなよー」
「照れてないし!!」
と神谷は必死だ
周囲が爆笑する。
そして最後。
校庭の端から、小さな花火が上がる。
派手じゃない。
でも。
ぱん、と夜空に咲く光を見ながら、
みんな自然と空を見上げていた。
二日間。
準備して、笑って、走り回って、疲れて。
でもー
「あー……終わったね」
あめがぽつりと呟く。
その声に、なおきくんも小さく笑った。
「うん。なんか青春ラブコメみたいだった」
「今さら?」
「確かに」
夜空に消えていく花火が、文化祭の終わりを静かに連れていく。
夜風が吹く。
校舎の灯りが、
少しずつ消えていく。
文化祭が終わった。
でもーー
この時間が、ちゃんと思い出になった。
そんな気がした。
文化祭編、これにて完結です!
班決めから始まり、遠足、そして文化祭。
特別な事件が起きるわけではありませんが、高校生らしい時間を書いてみました。
なおき達にとっても、あめ達にとっても、きっと大切な思い出になったと思います。
ここまで読んでくださった皆さま、本当にありがとうございます!
明日から話は一気に不穏な方向へ進んでいきます!
普通でいられるのは今日明日までかも…天界まで巻き込む展開になります…そして物語はエンディングへ!
面白かったよ、続きが気になるよと思っていただけたら、ブックマークや評価をいただけるととても励みになります。
それでは次回もよろしくお願いします!




