おかえりのある休日
今日は、昨日の続き、あめとサンタさんの少しゆるい休日のお話です。
特別なことは何もない。
でも、一緒に歩くだけで少し特別になる。
そんな時間を書いてみました。
案外、トゲモンセンターに行ったり、アニマートにもよく行く。
「サンタさん、私カビコンが好きなんだけど、サンタさんはどれが好きだっけ?」
そう言いながら、もう答えは知っている。
「これか?」
サンタさんが指差したのを見て、私はにやっと笑った。
「やっぱりサニーコだよね! ブレないなぁ、サンタさんは!」
「トゲトゲが可愛いからな」
そんなことを真顔で言うサンタさんが、ちょっと可愛いい
そんな時私は思わず、その腕にしがみつく
アニマートでは、アニメのイケメンキャラを見つけるたびに、
「これ、サンタさんに似てる!」
と私が言い出して、どれが一番似ているか大会が始まる。
「これは目元かな」
「こっちは雰囲気じゃない?」
「後で写真送ってママにも聞いてみようね」
そんなふうに、どうでもいいことで真剣に盛り上がる時間が、私はけっこう好きだったりする
そして、街に出た時の本当の楽しみはーーガチャガチャ。
「あめ? 今日はどれにする?」
「んー……これ一回やろう!」
選んだのは、カバンにつける用の小さくて丸いぬいぐるみ。
素朴な顔に、細い足がちょこんと伸びている。
正直、そこまで可愛くない。
でも、それが逆にいい。
ガチャリ、と回して出てきたカプセルを開ける。
「よし!!」
中から出てきたのは、焦げ茶色の謎ぬいぐるみ。
「狙い通り、焦げ茶ゲット!」
「よかったな」
「サンタさんは? どれにしたの?」
そう聞くと、サンタさんは少しだけしょんぼりしていた。
「……電気で光るやつかと思ったんだが」
「うん」
「光らないやつで、裏のここを回すと蓋が取れるらしい」
「あー、貯金箱じゃん!!」
思わず笑ってしまう。
「サンタさん、何かと光るの好きだもんね」
「……間違えた」
「間違えちゃったね! 残念!」
するとサンタさんは、少しだけこちらを見た。
「もう一回ダメか?」
「ガチャの時だけなぜか甘えるよね。でも今日は1回ね! また次に来る楽しみにしよう!」
「そうだな、来週も来よう」
私は聞こえないふりをした。
そのあと、サンタさんがふと思い出したように言う。
「雫にお土産を買わないとな」
いつもそうだ。
サンタさんは、出かけると必ず留守番をしている人のお土産を買って帰ろうとする。
「いいね! じゃあ、ケーキにしようか」
「雫、喜ぶな!」
「うん!」
ショーケースの前に並ぶケーキを見ながら、私はにやっと笑う。
「ママはモンブラン大好きだからこれ? じゃあ、サンタさんのも当ててあげようか?」
「あめなんかに当てられるわけないだろ。こんなにたくさんあるんだぞ?」
「言ったな? 当たったら、今日の晩ご飯のメイン半分もらうからね」
「当ててみろ」
私は迷わず言った。
「イチゴのショート」
「ぐはっ……!なんで……」
「あのね、サンタさん単純なんだよ!」
サンタさんは悔しそうに眉を寄せたあと、今度は私を見る。
「じゃあ、あめのを当てたら無しでいいか?」
「当たるわけないじゃん! こんなにあるんだよ?!いいよ、言ってごらんよ」
サンタさんは、少しも迷わず言った。
「イチゴのショート」
「ぐはっ!! なんで分かったの!?」
「小さい時から、そればっかりだろ。あめは」
「結局チャラかよー!」
そう言いながら。
私たちは、ケーキの箱を片手に電車で帰った。
窓の外を流れていく街の光を見ながら、私は思う。
幸せロードは、別に特別な道じゃない。
ママの職場の前を通って。
トゲモンセンターに寄って。
アニマートで笑って。
ガチャガチャで失敗して。
ケーキを買って帰る。
ただ、それだけ。
でもーー
サンタさんと歩くと、その全部が、少しだけ特別になるのだ。
小さい頃も、今も、こういうなんとなくな休日が、私にとっては大切な時間だ!!
「ただいまー!」
……。
「おかえりー」
玄関でいつもママの《おかえり》を聞くのがなんか幸せ!
学校が休みの日はママも仕事を早上がりしてくれるから、夜帰るといつも美味しい匂いがする
最後まで読んでいただきありがとうございます!
今回は、トゲモンセンターに行ったり、ガチャガチャを回したり、ケーキを買って帰ったり……
「あめ達らしい休日」をゆっくり描いてみました。
こういうなんでもない日が、実は一番大切だったりするのかもしれませんね!
なんか、あめの回、三章になって優しいエピソードが多い気がする…なんかサンタさんのイメージのせいかなぁー?
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