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遠足前夜と、大好きなお弁当の余り

今日は少しだけ、穏やかな遠足前夜のお話です。


遠足そのものも楽しいけれど、前日の「明日楽しみだね」って時間や、お弁当の話をしている時間って、なんだか特別ですよね。


そんな三人の、何気ない夜を書いてみました。


相変わらず天然なサンタさんも可愛いですよww


雫が夕ご飯の準備をしているテーブルの上に、遠足の栞が広げられている。


「あめ?ちゃんと栞見たの?!」


湯気の立つお茶を並べながら、雫が聞く。


「見てるってば」


あめは気のない返事をしながら、ページをめくる。


集合時間、持ち物、注意事項ーー


どれも大事だけど、頭にはあんまり入ってこない。


「楽しみだねー!?」


雫が、ふと柔らかく聞いた。


「うん!楽しみ過ぎてモゾモゾする!!」


即答だった。


その声は、自分でも少し驚くくらい、軽かった。


「いいなぁ、遠足かー、ママも行きたいな」


「雫のお弁当も食べられるしな」

サンタがぽつりと言う。


「サンタさん? ゴメンだけど、明日の朝とお昼は、お弁当の余りだからね?」

雫が片目をつむる。


「よかったじゃん!あめと同じで!!」


なぜかあめが胸を張る。


「私さぁ、遠足の日の朝ごはんって、お弁当のあまりじゃん?あれ好きなんだよね!」


「玉子焼きのふちっことか、唐揚げのかけらとか……あ、ウインナーは朝用に1本多く焼いてくれるんだよね?」


「あめ。雫の作ったお弁当のあまりは私が1番好きだからな!」

珍しくサンタが余裕な顔をする。


その一言に、雫は何も言わなかった。

ただ少し恥ずかしそうに後ろを向いている…


そういう時の照れてるママがあめは好きだ。



「あ、あと凪ちゃんも一緒の班なんだよ」


あめが思い出したように言う。


「この間ウチに来た子か」


「そうそう!サンタさんのこと、かっこいいって言ってたよ」


「……そうか。ありがとう」


「そこはやったぁ!でしょ!」


「…やったぁ」


少し間のある喜び方。


「気持ち入ってないなぁ」


雫が笑う。


ーー


「それより、お弁当。唐揚げでいいよね?」


「もちろん!」


「雫の唐揚げ好きだ」


「はい決定。サンタさんも合格」


「偉いぞ、サンタさん!!」


「あはは」



「明日、多分晴れじゃん!?サンタさんも外で食べたいよね!」


「雫の弁当なら、外で食べたいな」


「サンタさんママと食べたいんだって!」


「雫のサロンの前で待っててもいいか?」


「それ本当にやめてね?スタッフの子達が大騒ぎになるから…」


雫が困ったように笑う。


「あはは!絶対迎えに行くタイプだもんね!」


「じゃあ今度、私が休みの日にみんなで行こうね」


「……そうか。わかった」


「明日は鳥と食べるよ」


「あはは、何鳥って」


未来のことを、まだ起きていないことを、

三人で勝手に想像して、笑い合う。


その時間がーー

すごく好き!!



ーー


そして当日。


バスの一番後ろの席。


「ここだよー!」


神谷が大きく手を振る。


凪が先に乗り込み、あめも続く。


「なおき、早くない?」


「でしょ?」


なおきが軽く笑う。


どこか余裕のある顔。


「班長だもんねー」


あめがからかう。


凪もくすっと笑う。


「……まあね。頼っていいよ」


「心配だなぁー」


「あはは」



そしてーー


「見て、バス動くよ!」

あめが窓の外を指さす。



バスがゆっくりと発進する。


その瞬間、どこからともなく拍手と歓声が起きた。


非日常の始まり。


それだけで、十分だった。


いつもの学校が、少しずつ遠ざかっていく。


遠足って、当日だけじゃなくて、前日のソワソワや、バスが動き出す瞬間までと走り出す瞬間のわくわくも含めて楽しいんですよね。


お弁当の余りを朝に食べるのが好きだった人、きっといるはず!私は書いた通り、卵焼きの隅っこと余分に焼いてくれたウインナーが好きです♪


ついでに言うと、海苔がシナっとなったおにぎりも小さい頃を思い出して大好きですww


そして今回は、あめ達の「普通の青春」を、少しだけゆっくり描いてみました。


よければブックマーク、評価いただけると嬉しいです。


明日も20時10分に投稿しますね。

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