表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/40

第15話 狐毒



 フォンに案内された場所は、木造の建物だった。先程の興奮していたフォンはもうなく、目が揺れている。


「こちらです。どうぞ」


 引き戸を開けると、一人の老人が眠っており、その横で老婆が座っていた。シンはその老婆に見覚えがあった。


「センナさん、」


「シンくんかい? どうして」


 シンは、センナと呼んだ老婆の元に駆け寄り、事情を説明する。センナはチラチラとフォンを見ており、違和感を感じる。


「コイツがハルです」


「ハル・メルルトです」


「宜しくね、私はセンナ。眠ってる夫がハツ、モムト村の村長よ」


 センナがそう言うと、フォンは誰かに呼ばれたのか、部屋を出て行った。獣人は聴覚も良いので、少し間を開ける。


「……何が、あったんですか? 雰囲気が違い過ぎる」


「……」


「…センナさん、おれは、“神速の勇者”です。信用できませんか?」


 センナは顔を上げ、口を開く。


「この村が過疎化している時、獣人の移民を受け入れたのよ。最初は良かった、綺麗な塔が建って、賑わっていた。ただ、」


「ただ?」


「夫が病気で、倒れてから、獣人がこの村を取り仕切るようになったの。どんどんこの村の伝統が壊されていって」


「なるほど、そう言うことか、」


 シンはセンナの話しを聞き納得していた。急激な外観の変化は、獣人主体の村になってしまっていたからなのだろう。ただ、そうなってしまっては、この村はもうモムト村としては無くなってしまうだろう。


「…病気? これ、毒じゃない?」


「え? どういうことだ? ハル」


 ハルがハツの顔を見て言ったその言葉。それが本当ならば、また違った方向に傾いてくる。


「センナさん、少し詳しく調べても良いですか?」


 こくこくと、口を押さえながら、驚いた様子で頷く。


「ハル、診れるか?」


「うん、その勉強はしてたから」


 そう言ってハルはハツの腕を触る。脈を測っているのか、暫くして、次に瞳を確認している。

 一通り調べ終えたのかハルは、ベッドから離れて言う。


「うん、毒だよ。この症状は主に暗殺で使用される、徐々に弱らせて殺すタイプのモノ。一般に、独身の貴族に使われてたから『孤毒』って呼ばれてる」


「そんな、誰が」


 シンはその話しを聞き、確信する。


「センナさん。フォンの住む場所はどこですか?」


「え? 南東のエリアよ」


「分かりました。すみませんが今日泊まる場所がないので、お邪魔して良いですかね?」


「ええ、もちろんよ」


 シンの作り笑いに気付いたのは、ハルだけだった。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ