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SKY  作者: RUI


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52/68

Sky52-責任と資産-

 




 初任務から数日、西方の朝は、相変わらず音が少ない。


 居住区の廊下は清潔が行き届いていて、足音が響く。誰かの笑い声も、朝起きの鐘も、北方みたいに壁を叩かない。


 あすみはカードキーをポケットで確かめてから、セリと並んで格納庫へ向かった。


「今日、補給の受領があるって言ってたよな」


「うん。昨日の点検で、腹部機体の制御がちょっと弱いって言われた。部品、来てるはず」


「“来てるはず”ねぇ」


 セリは言いながら、ひとつ欠伸を噛み殺した。こういう時の軽口だけは、北方と同じ温度で安心する。


 格納庫の入口で、整備員が二人を待っていた。胸元の名札は小さく、代わりに腕のタグが目立つ。


 タグの文字は尖っていて、あすみの目にまっすぐ入ってきた。


「Red Rose、受領確認。こちらです」


「よろしくお願いします」


 あすみが言うと、整備員は笑顔を返した。笑顔は柔らかいのに、その視線はすぐ端末に戻る。確認の指が止まらない。


 搬入車両が、床の白線にぴたりと沿って滑り込んでくる。


 コンテナが三つ。側面に、貨物番号と部品カテゴリと──長い契約番号。


 北方でも部品は届く。けれど、北方は箱の汚れや、持ってきた人の足音の荒さのほうが先に目に入った。


 ここは違う。文字が先に来る。


「じゃあ、開けるぞ」


 整備員が封印テープに刃を入れた瞬間、金属と樹脂の匂いがふっと漏れた。新品の匂いだ。


 あすみは自然に一歩近づく。確認したい。触れて確かめたい。


 ──そこで、整備員の手が止まった。


「……封印、一本足りない」


 声が低くなる。もう一人の整備員が箱の角を覗き込み、端末を叩く。


「記録上は、封印テープ三本。現物二本。……物流の立会い、呼びます」


「え、ちょっと待て」


 セリが思わず言った。


「中身あるならいいだろ。こっちは飛ぶんだぞ」


 整備員は困ったように笑って、でも首は横に振った。


「すみません。規定です。こちらが受領サインをした瞬間から、荷物の責任がこちらに移ります。封印不備のままでは──」


「責任?」


 セリの眉が上がる。


 あすみは、その言葉の引っかかりを喉の奥で噛んだ。


 北方なら、「とりあえず飛べ。後で調整合わせる」が普通だった。


 ここは逆だ。調整が先で、飛ぶのは後。


 数分後、物流係の女性がやってきた。制服の肩章がぼんやりひとつない。痩せそうなのに、手首も細い。


「お待たせしました。ええと……貨物番号、こちらですね。封印二本、確認しました」


 彼女は箱を見ながら言う。その口調は淡々で、声も柔らかい。


 けれど、次の言葉がすぐ来た。


「このままでは受領できません。手続き上、開封扱いになります。供給元へ照会が必要です」


「供給元?」


 あすみが聞くと、物流係は一瞬だけ視線を上げ、すぐ端末に戻した。


「ヴァルシュタイン重工です。契約番号が付いていますので、照会は早いと思います。……ただ、本日の運用に間に合うかは」


 間に合うかは。


 そこだけ、ほんの少しだけ人間の声だった。悪い知らせを言う時の、ためらいが混じる。


 セリが鼻で笑った。


「俺たち、機体もパイロットも”契約”で動いてんのかよ」


 物流係は困ったように笑って、でも言い訳をしないまま続けた。


「契約で動いている、というより……契約があるから、補給が回るんです。ここは西方本部ですから」


 あすみの視線が、箱のラベルの端に吸われた。


 社名が、冷たい印字で刺さっている。


 ヴァルシュタイン重工。


(企業が、軍に入ってる)


 口にはしない。


 言ったところで、この人たちは困るだけだ。困っても、規定は変わらない。


 整備員が小声でセリに言う。


「悪いな。うちも飛ばしたい。でも、受領してしまうと、後で”誰が開けた”になる」


「……“誰が開けた”、ね」


 セリの声が少し落ちる。納得らない。


 あすみは、その変化を横目で見た。北方なら、ここで一回揉めている。


 あすみは物流係に向き直った。声はいつも通り出せた。


「照会、お願いします。こちらは代替の部品か、応急処置で回せる範囲を整備班と確認します」


 物流係の目が一瞬だけ上がった。


 “はい、分かりました”と頷くより早く、端末を操作し始める。


「ありがとうございます。照会を入れます。結果は──」


「端末に送ってください。受け取ります」


「承知しました」


 *


 係員が端末に視線を戻し、受け取り処理に移った。あすみの横で搬入箱が台車ごと止められる。


 その時、整備員の一人があすみの方を向いた。少し迷うような表情をして、口を開きかける。


「……すみません。封印不備です。記録は三本、現物二本で——」


 その横から、作業着ではない男が一歩だけ寄った。

 腕章も階級章も見えないのに、場の流れだけを止める立ち位置。


「照会は、もう入っていますか?」


「はい。物流係が」


 男──整備員が頷くだけで、それ以上突っ込まない。箱の側面の契約番号を一度だけ目で追い、端末に素早く入力した。


 あすみはその横顔を見て、目を見開く。胸の奥がドクン。と一度鳴った。


 鼻筋の通り方。眉の形。口元の形。顔全体の輪郭


 ──角度によって、記憶の中の一人と重なる。


 ずっと探している人。


 髪型も違う、目の色も違う。なのに、顔の作りだけが一致してしまう。


 セリも同じ方向を見ていた。口の端だけ動く。声を出さずに、息で笑う癖が出る。


「……まじかよ」


 小声だった。整備員にも物流係にも聞こえない距離の声。


 あすみは返さない。返すと、口から別の名前が出そうになる。


 男が顔を上げた。視線がこちらに来る。まっすぐで、迷いがない。


「古賀あすみさんと、セリ・アンダーソンさんで……お間違いないですか?」


 名前を知っている言い方だった。名札を探すんじゃなく、最初から把握している。


 整備員が慌てて紹介しようとする。


「中立士官の──」


「エーリッヒ・フォン・シュタイナーと申します。ゼインハルト評議国の中立士官です。よろしくお願いします」


 ──シュタイナーが素早く言った。連合軍の軍服ではない深緑色の軍服を着ている。階級は胸の肩章で分かる。中佐だ。

 金色の髪に鮮やかなブルーの瞳。真っ直ぐに人を見るその眼が、とてもよく似ている。


 あすみは一歩前に出る。姿勢を正す。声はいつも通りに出せた。


「……古賀あすみ一等兵です。よろしくお願いします」


 セリも遅れずに続く。


「セリ・アンダーソン一等兵です。よろしくお願いします」


 シュタイナーは握手を求めなかった。頷くだけで十分だ、という距離の取り方だった。


「今朝の補給、少し遅れるかもしれませんね。運用に影響が出そうなら、私のほうに上げてください。整備班の方を責めたいわけではありません。現場が止まるのだけは避けたいんです」


 整備員の表情が少しだけ楽になる。“責められない”と分かった顔だった。


「……ありがとうございます。こちらも代替案を検討します」


 あすみがそう言うと、シュタイナーは「ええ、お願いします」とだけ返した。余計な言葉を足さない。


 沈黙が一拍落ちる。


 その一拍の間に、あすみの中で顔の一致がまだ消えない。視線を外せば楽なのに、外すと”気づいた”ことが確定してしまう気がした。


 セリが、わざと軽い声を挟んだ。


「中立士官って、こういうのも見るんですか?」


 質問の形をしているが、探りだった。シュタイナーが何者で、どこまで関わるのかを測る。


 シュタイナーはセリを見た。表情は変えない。


「見ますよ。飛ばす以上、補給も規定も切り離せませんから」


「へぇ。じゃあ、俺らが”規定”で止まっても文句言えねぇな」


 セリが皮肉みたいに言う。いつもの軽口に寄せているのに、声の底が辛い。


 シュタイナーは笑わない。肯定もしない。


「止まる理由が筋の通ったものなら、止まって大丈夫です。逆に、ただの責任回避なら……私は止めたくありません」


 言い切りだった。整備員が一瞬だけ息を止める。


 あすみはそこで、シュタイナーが西方の空気と同じ場所に立っていないと分かった。規定を盾にする側ではなく、規定を道具として使う側の目だった。


 あすみは視線を切って、箱のラベルへ落とした。社名がまだ刺さっている。そこに意識を置けば、口から名前が漏れない。


 シュタイナーが、ふいにあすみに言う。


「古賀さん。補給が間に合わない場合、今日の武装は組み替えが必要になりそうです。管制にはこちらから話します。ご希望があれば、いま聞かせてください」


 希望、と言われて、あすみは一瞬だけ詰まった。


 北方なら即答している。必要な武装。必要な弾数。飛ぶための条件。


 けれど西方では、希望が”要求”に見える。要求は記録に残る。記録は使われる。


 あすみは喉を一度だけ動かし、結論だけ出した。


「現場の判断で動ける構成なら、合わせます」


 シュタイナーは頷いた。


「了解です。必要が出たら、遠慮なく言ってください。今の内容は、こちらでちゃんと記録に残しておきます」


 “記録にしておく”という言い方が、妙に刺さる。責任を押し返さない言い方だった。


 シュタイナーは一定の歩幅のまま、白線の向こうへ消える。


 残された整備員が小さく息を吐く。


「……あの人、中立士官なのに、現場に降りてくるんだな」


 セリが肩をすくめる。


「降りてくるタイプは厄介だぞ。口だけじゃねぇ」


 あすみは笑顔を作った。


「じゃあ、ちゃんと動けるようにしよう」


 声は明るい。いつも通りだ。


 でも、胸の奥に引っかかったものが一つ増えた。


 箱のラベルの社名とは別の、形の引っかかりだ。


 顔の輪郭が、記憶に触れる。


 あすみはそれを口にしないまま、格納庫の奥へ歩き出した。



 *


 午前11時。


 応接区画は、狭い。狭いのに、—落ち着かない。

 空気が乾いているせいか、声が吸われずに壁に当たって返ってくる。


 へイル・ラグナー大尉が先に待っていた。姿勢が整っていて、机上の資料が一枚もずれていない。


「古賀一等兵、アンダーソン一等兵。時間通りだ」


「おはようございます」


 あすみが言い、セリも短く礼をする。

 ハイルは椅子の位置を指で直し、淡々と続けた。


「本日の視察は、連合軍副司令イル・チャンティ閣下が担当される。入室時は起立、返答は結論から。質問は閣下の許可が出てからだ」


「了解しました」


 いつも通りの声が出る。

 へイルは一度だけ頷き、奥の方へ視線を向けた。


 ノックはなかった。

 扉は静かに開き、男が入ってくる。


 コートの襟は立っていて、手首は外さない。

 目だけが、部屋の隅から隅まで掃るように通り、最後にあすみへ止まった。


 ──匂いが、似ている。


 ハイルトンと同じ系統の、余計な言葉を削っていく匂い。

 けれど決定的に違う。ハイルトンの視線は人間に引っかかる。

 この男の視線は、最初から”記録上”に合っている。


「Red Rose──」


 イルは最初に名前ではなく、コードで呼んだ。

 あすみとセリは同時に起立し、敬礼する。


「古賀一等兵、アンダーソン一等兵。……着任してからは10日ほどか」


「はい」


「そうか」


 それだけ言って、イルは机の資料を一枚だけ引き寄せた。

 紙が擦れる音が、部屋に大きい。


「北方での飛行ログ。任務達成率、事故率、機体損耗、整備工数……全部で優秀だ」


 “優秀だ”が、温度を持たない。


「確認する。西方の運用は北方と違う。個別管理に絞む。理解しているか」


「了解しました」


 あすみが答えると、イルの視線がわずかにセリへ移る。


「アンダーソン一等兵。相棒の判断を補佐できるか」


「はい」


「感情で補佐するな。規定で補佐しろ」


 セリの肩が、ほんの僅かに固まる。

 でも声は落ちない。あすみの横で、セリは堪える。


 イルは再びあすみに戻る。


「古賀一等兵。君は、結果のために撃てるか」


 一拍、喉の奥で何かが引っかかった。


(守るために、じゃない)


 言い返す言葉が浮かぶのに、口の前で形にならない。

 今ここで言うと、余計なものになる気がした。


「……規定の範囲で、必要なら撃ちます」


「必要、という言葉は便利だ」


 刺が細い。刺さるのに血が出ない。


 あすみは一拍だけ置いて、言い直した。


「規定の条件を満たすなら、撃ちます」


 イルは頷いた。満足でも不満でもない。


「結論は悪くない」


 へイルが横から一言だけ添える。


「本件記録は全て読了済みです。なお、中立国士官シュタイナー少佐は──」


 イルが視線だけで止めた。

 へイルは言葉を切り、姿勢を正す。


 中立国士官。シュタイナー。

 名前だけが、部屋の隅に置かれる。


「質問はあるか」


 イルが言う。

 許可制、と言われていたのに、口の方が先に動いた。


「……西方では、私たちは、どう扱われますか」


 へイルの気配が一瞬だけ重くなる。

 セリが横で、呼吸を詰める。


 イルは、躊躇なく答えた。


「資産だ」


 それだけで終わらせず、続ける。


「資産は壊さない。壊したら損失だ。──以上」


 “以上”が、奥の方へ向けられた言葉みたいに聞こえた。


「了解しました」


 イルは礼装を返し、そのまま退室した。



 イルは、廊下の角を曲がってから立ち止まった。

 同行の参謀が何か言いかけたが、イルは手を上げて黙らせる。


(RED ROSE……)


 端末の表示は見ない。頭の中に既に入っている。

 顔、目、声の速さ。返答の重さ。


(母親によく似ている。だが……記録上の戦闘能力は、父親に近い)


 血の混ざり方が、恐ろしいほど素直だ。


(やはり、血統というのは強いな)


 イルはゆっくりと足を前に出して歩き出した。


 ──16年前、あのVRシステムの保護許可を出したのは自分だ。

 エリンとカイトの保護も、同じだ。壊せば、許可そのものが無意味になる。


(壊すな)

(資産は、壊すな)


 自分に言い聞かせるように、イルは思った。


 部屋の向こうで、少女の声が静かに響く。


 “了解しました”


 感情を乗せずに出せるようになった声。


 それが、良いことなのか悪いことなのか。


 イルにも、まだ分からない。



 *


 廊下に出た瞬間、あすみは大きく息を吐いた。


「……重かったな」


 セリが小声で言う。


「うん」


 あすみは頷いた。


 胸の奥に、何かが残っている。


 重さ。

 冷たさ。


 そして──


(資産、か)


 その言葉が、まだ耳に残っていた。


 資産は、壊れない。


 壊れたら、損失だから。


 それは、つまり──


(守られる、ってことだよね)


 あすみは、自分にそう言い聞かせた。


 資産として扱われるなら、無茶な任務は来ない。


 無理な出撃もさせられない。


 それは、悪いことじゃない。


 でも──


(何か、違う気がする)


 その違和感を、まだ言葉にできなかった。


 掲示板の前を通る。

 紙は整列している。角度も、余白も、完璧だ。


「……慣れんのかな、これ」


 セリが言う。


「慣れる、って言ったら……負けたみたいで嫌だね」


「じゃあ、合わせるって言え。負けじゃねぇ」


 セリはそう言って歩き出す。

 あすみも後ろに並ぶ。


 端末が短く振動した。


「適性確認:本日1400」

「標準化手順:既読確認」

「評価基準:継続審査」


 あすみは通知を消さず、画面だけ暗くした。


 消したら、戻れなくなる気がした。

 でも、開いたままだと、冷えが指先から上ってくる。


 だから暗くする。消さずにそのままの状態にしておく。



 *


 居住区と格納庫の分かれる分岐に着くと、セリは先に戻ると言って居住区に戻って行った。

 あすみは格納庫へ行くために一人で廊下を進んでいく。

 格納庫へ続く廊下の窓からは、基地正門が見えた。


 基地正門の外、鉄柵の向こうでプラカードが揺れていた。

「戦争反対」「武力より対話を」――白地に黒い文字。風にあおられて布がばたつき、スピーカーの音がときどき割れる。


「……またやってるよ」


 格納庫へ向かう通路の途中、前を歩く地上兵の男が顎で正門の方を示した。

 もう一人が、肩をすくめて笑う。


「こないだ絡まれたぜ、俺。『大義なき戦争反対!』つって」


「なにそれ。……大義?」


 男は鼻で息を吐き、歩きながら指を折ってみせる。


「祖国のため、自由のため、民を守るため――ってやつだろ。

 じゃあさ、二十年続いてる今の戦争はなんなんだって話だよな」


 隣の男が、舌の先で乾いた唇を湿らせる。


「はぁー。大義ねぇ……」


 言いながら、どこか遠くを見る目になる。


「大義なんか、殺した罪悪感を薄めるための便利な言葉だって、俺は思っちゃうけどな」


「まぁな」


 短く相槌が落ちる。

 その声には同意というより、“分かってしまう”疲れが混じっていた。


「俺らからしたらさ……」


 もう一人が、プラカードの揺れを一瞬だけ見て、それから前を向く。


「あいつらも一回……命かけた後にもう一回言ってみろって思うよな」


 風が強くなり、柵の向こうの声がかき消えた。


 残ったのは、基地内の足音と、遠くで鳴る警報試験の短い電子音だけだった。


 前を歩いていた地上兵の話を耳にしながら、あすみは遠くの鉄柵の向こうに目をやった。


(オルタイト適合に関する戦闘データ収集のための部隊)

(守られるべき資産)

(守るべき対象の見えない戦場)


 あすみは窓の向こうで揺れているプラカードから視線を廊下へと戻し

 手元の端末を持ち直した。持ち直す手に、力が入る。


 窓から差し込む西陽の光が格納庫へと続く廊下に窓の影を作っていた。


 *


 格納庫での作業を終え、自室に戻ると、端末に通知が並んでいた。


「補給照会:処理中」

「受領保留:手続き確認待ち」

「運用計画:修正案」


 あすみは通知を消さなかった。


 消さずに、画面の明るさだけを落とした。


 ドアが閉まる音が、やけに静かに響く。


 静かすぎて、次に来るものの気配が、はっきり分かってしまう。


 ──結果より先に、数字と責任が来る。


 あすみは端末を伏せる代わりに、ただ手のひらで画面を覆って暗くした。


 息を吐いて、制服の袖を一度だけ引いた。


次回更新は2/18 0時前後になります

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