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第21幕 案内掲示板


「ほらぁ、だから言ったじゃないか」

「え~い、ウダウダとうるさいのです!」

ミス・セプテンバーのことを心配している間に、結局ヨンズたちとはぐれてしまったプリンとスケさんはパンナコッタ・ヘブンの中をウロウロと放浪していた。

迷子になって分かったが、このパンナコッタ・ヘブンという所は相当な敷地面積を有していた。歩いているうちに見かけた競争ウサギのレース場や、魔物同士の闘技場などその入口前を通過しただけで中は相当広いというのが推測できたが、それら全てをひっくるめてのパンナコッタ・ヘブンとなると、全体がどれほどの広さなのかちょっと想像が追いつかないというのが現実であった。


「あっ!いいもの見つけたのです」

ひとりと一匹と言っていいのかわからないが、偶然にもプリンたちは施設の案内掲示板を見つけた。よくある施設のどこに何があるのかという簡易地図というか、見取り図のようなものがついているお馴染みのアレである。

「どれどれ・・・」

「うっわあ~」

「どうしたですか?」

隣で掲示板を一緒に眺めていたスケさんがドン引きした様子で声をあげたことに、プリンがすかさず反応した。


「見てごらんよ、この景品所の近くにある売買屋って多分質屋だよ。身の回りの品まで売ってギャンブルにハマり込むなんて身の破滅もいいとこじゃないか。こっちにはオークション会場ってのもあるし、価値の低いものは売買屋で捌いて、ある程度価値のあるものはオークションで高く売るんだろうね」

「こっちには本日のオークションの目玉商品ってのも書いてありますよ」

「ホントだ、どれどれ・・・。勇者の爪のアカって、こんなの飲むつもりなのかな?絶対にお腹を壊すよ!それから、オリハルコンの欠片!?ホントに?ニセモノじゃないの?」


とその時、目玉商品の品書きを上から下にスライドしながら眺めていたプリンの目に、何やらイヤな文字が飛び込んできた。

「スケさん、これ・・・」

「どうしたんだい?」

プリンの指示した先をスケさんが見てみると、幾つか商品名が並んでいる最後に"妖精"の文字が刻まれている。プリンに続いて無言になったスケさんの脳裏にも嫌なものが浮かんだ。

「コレってまさか・・・」

「いやいや、そんなハズはないよ。だってさっきまでミス・セプテンバーは、ボクたちと一緒にいたんだから。まさかさっきの今で・・・、イヤイヤ、ナイナイ」

「妖精さんには、そんなに価値があるですか?」

「って、ソッチ!?イヤイヤそこは、あると言ってあげなきゃ失礼じゃないか。ちょっと年は食ってるけど、口も悪くて、美少年と見るやすぐに飛びつく、おまけに肉を食べる妖精・・・」

スケさんは自分で言ってて、ちょっと悲しくなってきた。


「誰もそこまで言ってないのです。妖精という種族には価値があるのかと聞いているのです」

「・・・罠だ、すごく嫌な罠にかかった気分だよ。まあ妖精の羽には癒しの効果が高い鱗粉があるって言うからね、生傷の絶えない冒険者のパーティーでは喉から手が出るほど欲しいんじゃないかな」

「ほほう!スゴイです」

「でもまだ、この妖精がミス・セプテンバーと決まったわけじゃないよ!」


そんな希望的観測で話を進めようとするプリンたちに話しかけてくる者がいた。

「なんじゃ、お前さんたちオークションの品に興味があるのか?」

人のよさそうなオジイチャンといった風貌をしたその人物は、親切に教えてくれる。

「ここじゃあニセモノがオークションにかけられることもあるからな、品物を事前に見ることもできるぞい。その代わりに品物を見たうえでニセモノを競り落としてしまったなら、そりゃ自分の自己責任って理屈なんじゃが」

とそこまで言ったところでオジイチャンは、すでにプリンたちの姿がないことに気付く。

「ヤレヤレ、まったく人のハナシを聞かんやつじゃ。年寄りの話は聞くもんじゃというのに」


オジイチャンの話を最後まで聞きもせずに、突然走り出したプリンにスケさんは追走しながら問いかける。

「ねえ、プリン!そのオークションに出品される品物ってのがどこで見れるのか、場所くらい聞いておいた方が良かったんじゃないの?」

「必要ないのです!そんなものオークション会場に行けばわかるのです」

人の話をちゃんと聞こうともしない幼いご主人に、スケさんはいつか大事な話を聞き逃してしまうんじゃないかと気が気ではなかったが、隣で鼻歌なんかを歌っているプリンにその気持ちが伝わることはないのであった。



更新が遅くなってますが、

当初考えてたストーリーに辻褄が合わないところがあるのに気づいて、話の練り直しをかけてます。

スミマセン、しばしおまちを・・・。

(ブールノイズの罪は直接関係ないです)


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