第57話
私は走った。それはもう全速力で。
エリオス達の気配を探りながら玉座の間を探していく。
――闇の気配が強くて気配を探ることが出来ない。
困り果てようとしたその時だった、胸に付けていた、エリオスから貰った魔石のブローチが光だし、光の道筋を示した。
私はそのブローチの導きにより、一つの扉の前にたどり着いた。
――かすかだが、エリオス達の気配がする。
私はその扉を開けると、シャドウによって囚われた二人の姿が見えた。
「エリオス......!! セラフィン!!」
私は青炎を使い、シャドウを焼き払う。
すると、自由になったエリオスが、私めがけ駆け寄ってくる。
「レヴィ......!! 良かった、無事で......」
「心配かけてすまなかった」
「ゼノンはどうしたんだい?」
そういわれて、ゼノンの存在を思い出した。
それまでに私の心を占めていたのはエリオスの存在だった。
「ゼノンは......蹴り飛ばしてきたからどうなったかは分からない」
「蹴り飛ばした?!」
エリオスは驚愕し、セラフィンは笑いをこらえている。
「そういえば、蹴り飛ばす前に首筋に何かされたのだが......」
「首筋?」
エリオスの顔が険しくなる。
そして、私の首筋を確認すると、剣を抜いた。
「レヴィ、ゼノンはどこに? 今すぐ聖剣の錆にしなくては......」
「まてまて!! 一体何があった?! 何故そうなる!!」
「レヴィ様......」
「セラフィン!! お前もエリオスを止めて......」
「許すまじゼノン......白磁の様な肌に何ということを......!!」
「せ、セラフィン?」
ダメだ。二人に話が通じない。
すると今までどこにいたのか、ヴァルクが姿を現した。
「どうやら、ゼノン様が"所有印"をつけた模様です」
「"所有印"? とは?」
「......キスマークです」
......きすまーく。
そんなに怒ることだろうか?
とは思ったが、二人ともとても怒っているので、火に油を注ぎたくないため黙っていよう。
その時だった。背後から誰かに抱きしめられた。
――気配で分かる。ゼノンだ。
「......離せ、ゼノン。もう私はお前のものにはならない」
「レヴァイア。昔も今も、貴方の帰る場所は私の元です」
「まだそのような戯言を......。私はもう未来を見ている。お前も私という過去に囚われるな」
私がそういうと、「過去?レヴァイアが?」と戸惑いの声を上げた。
「......お前は長く生きすぎた。......もう眠るがいい」
私は青炎を纏うと、ゼノンを焼き尽くそうとした。
ゼノンは抵抗するかと思いきや、私を抱きしめたまま大人しく青炎に包まれていた。
「......愛していました。レヴァイア様」
「私もだ」
「......だからこそ、最期は貴方の手で......」
「......あぁ。どうか安らかに眠れ。ゼノン・アビス。――私の最初に愛した男よ」
――そうして、ゼノンは私の青炎により見る影もなく消え去ったのであった。




