↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王、勇者と聖女(男)から溺愛される~部下からも言い寄られて困ってます!?~  作者: 朱音小夏


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

56/62

第56話

 ***


「レヴィ!!」

「レヴィ様!!」

「......うるさい害虫どもだな。まったくレヴァイア様もどうしてこんな奴らをお傍に置いたのか......」


 ゼノンは「シャドウ」と唱えると、エリオスとセラフィンを拘束した。

 そして、崩れ落ちたレヴィの身体を抱き上げると、うっとりとした表情で見つめた。


「あぁ。久しぶりに触れることが出来た。そのお顔を間近で見ることが出来た。......何という幸せでしょうか......」


 ゼノンはそのまま玉座の間を後にする。

 後ろでエリオスとセラフィンが叫んでいるがお構いなしだ。


「さぁ、これで二人きりになれますね」


 ゆっくりと玉座の間の扉が閉じられていった。




 ***


 なんだろう。

 温かく、柔らかい何かに包まれている。

 ......これは布団か?


 私は目を開けると、見慣れない天井が目に入った。

 ......そうだ。私はゼノンによって眠らされたのだった。

 そして見たあの夢。

 遠い昔のレヴァイアとゼノンの記憶。


「私達は、愛し合っていた......?」

「えぇ。そうですよ? そしてこれからも、ね」

「......ゼノン」

「寝心地はいかがですか? 貴方のためにあつらえた最上級のものです」

「......寝心地はいいが、目覚めは最悪だ」


 私は正直な感想を述べると、ゼノンは驚いた顔をして私を見つめた。

 何をそんなに驚くことがあろうか。


「レヴァイア様......」

「触るな!!」


 私はゼノンを拒絶した。

 するとゼノンは私の上に馬乗りになった。

 そして私の両手を頭上で拘束し、顔を近づけてきた。

 首筋にチクリとした痛みが走る。

 私はキッっと睨みを向けた。


「何故私を拒絶するのです? 言ったではありませんか。記憶をなくそうとも私を愛すると。あの約束は嘘だったのですか?」

「......お前は、わざと人間と魔族を争うように仕向けたのだろう? ......そこまでして何故私を欲する?」


 ゼノンは私から手を離すと、「クックック」と小さく笑いながら上体を起こす。

 ......その目には狂気が滲み出ていた。


「何故? 何故ですって? 貴方が皆の"創世神"だったからですよ!! 私は、私だけのものにしたかったっていうのに!!」

「......そんな事の為だけに?」

「......"そんな事"? ですって?! 貴方は! 私だけに愛されていればよかったのです!!」


 ゼノンは再び私に触れようとした。

 しかし、私は二度も同じ過ちを繰り返すほど愚かではない。


「――青炎!!」

「!! ぐっ!! なんだ、この力は!!」

「......これが創世神の力だ」


 私はベッドから身を起こす。

 青白い炎が、私の体を包み込んでいく。

 かつて世界を創り、生命を生み出した力。

 そして――。

 今の私自身を守るための力。


「私を誰かの所有物にするために、創世神は存在するのではない」

「レヴァイア......様......」

「私はもう、お前に従わない」


 ゼノンの力が弱まった。

 ――逃げるなら、今しかない。

 私は思い切りゼノンに蹴りを入れる。


「ぐっ!!」


 ゼノンの身体が吹き飛ぶ。

 その隙に私はベッドから飛び降り、駆け出して行った。


「待て!! レヴァイア!!」

「嫌だ!! 断る!!」


 私は振り返ることなく走る。

 ――いち早くエリオス達の元へ行くために。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。