第43話
「......私は少し眠る」
「あぁ、ゆっくり休むといい」
「おやすみなさい、レヴィ様」
そう言うと、皆部屋から去って行った。
そして私は眠りについた。
***
ここはどこだ?
暗くしかし、火の玉が辺りを照らしている。
「来たか......レヴィ」
「!! 誰だ?!」
私が上を見上げると、玉座らしきものに座っている男が一人。
「誰だ?」と疑問に思っていると、私は影に身体を拘束され身動きが出来なくなった。
「レヴィ、こうして相まみえるのは初めてだな」
「......お前は一体?」
すると男は、玉座から降りてこちらに歩み寄ってくる。
――私は初めて"恐怖"の感情に襲われた。
「あぁ、そんなに怯えなくても良い。お前は知らぬであろうが、私はお前が創世神である頃からお前を知っている。......その時からお前を愛していたのだ」
「?! どういう事だ......?」
「......今はまだその時ではない」
男はそう言うと、私の頬をするりと撫でた。
そして、私が身動き取れないことをいいことに、口づけをしてきた。
「んン!! ふぁ......ん」
「......実に美味いものだな。お前を早く手に入れたいものだ」
私がこの男に抱いた感情。それは"嫌悪"であった。
「今はこのくらいにしておいてやろう」
「待て!! お前は何者なのだ?!」
「......ゼノン。ゼノン・アビス。今はそれだけ。......さぁ、現実世界に戻るがいい......私もすぐに、な」
そう男が言うと、私の身体は影に飲み込まれていったのであった。
***
レヴィが眠りについたその頃――
「さて、セラフィン。今日という今日は決着をつけさせてもらうよ?」
「望むところです。それにしても......いいのですか?一国の王子、しかも勇者が魔王に求婚だなんて」
「それを言うなら君だって聖女じゃないか」
「お二人とも。ルナリア様がいるのをお忘れになっては困りますわ」
「おにいさまとセラフィンさまは、なかよしじゃないの?」
幼いルナリアの言葉に二人は言葉がつまってしまう。
二人が仲違いをしていると思ったのか、その大きな瞳に涙を溜めていた。
「ルナリア!! 僕らは仲が悪いわけじゃないよ? ただレヴィをお嫁さんにするのにはどちらが相応しいかをだね......」
「そうです!! ルナリア様が心配することは何もありません!!」
「......レヴィをおよめさんに?」
「「そう!!」」
ルナリアは、下を向くとわなわなと震え始めた。
「る、ルナリア?」
「......の」
「え?」
「わたしがレヴィのおよめさんになるの!! おにいさまにもセラフィンにもわたさないから!!」
ルナリアが大きな声でそう宣言すると、エリオスもセラフィンも固まってしまった。
――まさか、こんなに可愛らしいライバルが現れえるとは思ってもよらなかったのである。




