第35話
「ここが聖騎士の訓練場よ」
「......ほう。まるでコロシアムのようだな」
連れてこられた訓練場は広く、聖騎士達が腕を磨いていた。
「レヴィちゃんは剣を使ったりはするの?」
「あぁ。私しか使えない"魔剣"があるぞ」
「......イイ事思いついちゃったわ♡」
「?」
ローゼベルトがにんまりとした笑みを浮かべると、手をパンパンッと叩いて注目を集めた。
......何故だろう。なんだかあまりいい予感がしない。
「レヴィちゃん!ウチの聖騎士達と手合わせしてみてくれないかしら?」
「......本気で言っているのか?」
「えぇ、もちろん!」
ローゼベルトがそう言うと、訓練場が一気に騒がしくなった。
それもそうだ。"魔王と手合わせ"をしようとしているのだから。
騒ぎになるのも無理はない。
しかし、わたしが思っているのとは違った反応が返ってきた。
「あの"魔王"と手合わせだと?!」
「こんな機会、なかなかないぞ!!」
「是非とも手合わせ願いたい!!」
......人間と言うのは、強者と戦うのが好きだと思っていたが、ここまでとは。
もうここまで来ると私の中では"人間は物好き"とインプットされてしまった。
「どう?うちの子達はやる気満々だけど」
「......弱いものを虐げるのは......」
「あら?そう言って、負けるのが怖いのかしら?」
......分かっている。これは私を煽ってるに過ぎない事を。
しかし、私も魔族の"王"である。負けるのが怖いと言われるのは悔しい。
「......いいであろう。私は魔剣を使うがいいな?」
「えぇ、もちろん!皆ぁー、魔王様が手合わせしてくださるわよぉー!!五名様限定♡」
ローゼベルトがそう言うと、聖騎士達は我こそはと志願してきた。
ローゼベルトがその中から腕っぷしの良い者をチョイスして、私の前に並べるとクスクスと笑い始めた。
「この五人は聖騎士の中でもトップに君臨する子達よ?あ、魔法の使用は禁止でね♡」
「......これだけの者であれば全員一斉に来ても構わない」
「......言ったわね?それじゃあ、試合開始!!」
ローゼベルトの掛け声と同時に私は魔剣を現存させた。
そして襲ってくる五つの剣を一振りではじいた。
前後、左右。それぞれから攻撃をされたが私は赤子の手をひねるかのように魔剣を振るう。
「......これでおしまい、か?」
「クッ......まだまだ!!」
「......そうかそれなら」
私は五つの剣先を狙って魔剣を振るった。
するとものの見事に剣先にひびが入り、そのまま崩ていった。
「......魔法なしでもこの強さなのね。流石は魔王様、って事ね」
「手合わせはこれで終わりか?」
私は魔剣を仕舞おうとしたが、そこに待ったの声がかかった。
......声の主はローゼベルトである。
「今度は私と一曲踊っていただけるかしら?」
「......仕方ない。かかって来るがいい」




