第31話
「勇者に聖女よ。人間界と言うものがどういったものかは分かった。......残念ながらこれなら魔王様を安心して任せることが出来る。」
四天王達はあの後露店だけでなく市場に行ったりと人間界を思う存分楽しんでいた。
人間に擬態していたためか、人間達も彼らに対して優しく、時には楽しく接していた。
......そのお陰か、人間に対するわだかまりが無くなったように思える。
「しかし!勘違いされては困る!我らが魔王様がふさわしいのは魔界である!!いずれは魔界に返してもらうぞ!!」
「さて?それを決めるのは僕達で無くレヴィではないかな?」
......なぜこうも私を巡って言い争いを起こすのか。
勘弁してほしいものだ。
「......私にはどちらか片方を選ぶことは出来ない。先も言った通り、私にとっては、人間も魔族も大切なものだ。いわば"家族"の様なものである。......それではダメ、か?」
「魔王様......私達を"家族"と言ってくださるとは!!この上なき幸せであります!!」
「その信頼あるお前達に、魔界をもうしばらく任せたい。私はもう少し人間界と言うものを知らなくてはならない。......頼めるな?」
「「「「ハッ!!」」」」
......とりあえず、四天王はこれで大丈夫であろう。
私は魔界への空間を作り出した。
私も名残惜しいが魔界を任せられるのは彼らしかいない。
「......どうか元気で」
「「「「ま、魔王様!!」」」」
そう言うと、空間は閉じられた。
「......レヴィ。寂しいかい?」
「なんだかんだ毎日いた存在だからな。......別れが寂しいとはこのような感覚なのだな」
私がフッと笑うと、エリオスが私の頭をぽんぽんと撫で始めた。
それが優しく、温かいく、心地よい。
「......エリオス。私は子供ではないぞ?」
「子供じゃないからこそこうしているんだよ?」
「......むぅ」
「いいじゃないですか、レヴィ様。まるで微笑ましい光景ですよ?」
セラフィンがこちらに近づこうとした瞬間であった。
青白い光の波動が私達を隔たてる。
すると、白銀の鎧を身に纏った屈強な男たちが現れた。
「聖女様!!ご無事ですか?!」
「二度に渡り、禍々しい気配が......まさか!!」
男たちの先頭に立っていた赤髪の男が私に向かって剣を振りかざしてきた。
――それをエリオスが聖剣で受け止める。
「何故ですの?!エリオス王子!彼からは魔族の気配がいたしますわ!!」
「レヴィは客人だ!剣を収めろ!!これは王子命令だ!!」
セラフィンは私に向かって頭を下げ始めた。
「レヴィ様、申し訳ありません。わたくしの説明不足です。......彼らのご無礼、ここにお詫びいたします」
「聖女様?!」
「気にしなくてよい。セラフィン頭を上げてくれ。......して、こやつ等は一体何者なんだ?」
私がそう言うと、赤髪の男が私の前にしゃしゃり出てきてこういった。
「わたくしは戦場に咲く美しき一輪の薔薇!!ローゼベルト・ヴァレンシア!!聖騎士長よ!!」




