第28話
――急に天気が悪くなってきたな。
私は禍々しい天気に魔界の気配を察知していた。
「......ヴァルク」
「ハッ、ここに」
「この気配......"奴ら"が動き出したと言う事で間違いないな?」
私は飲んでいた紅茶を置き、ヴァルクを伴い外へと出た。
すると、エリオスとセラフィン、国王までもが集まっていた。
「レヴィ!!この気配は?!」
「......先に謝っておく。申し訳ないが私の教育不足だ。......しかし、こんな暴挙に出るとは。私が相手をする。皆は手出し不要だ」
すると空が歪み、大きな魔の魂が四つ。
歪みから姿を現した。
魔の魂の正体は四天王のそれであった。
「魔王様。お迎えに上がりました」
「もう、魔界に戻ってもよろしいのでは?」
「......ルシファー、アスモデウス。それを決めるのはお前らではない。この私だ。......この人間界にはまだまだ知らなければならぬことがある。......それに」
「「それに?」」
私は目を瞑り、呼吸を一つおく。
――隠していても仕方がない。
丁度ここにはエリオスもいる。
ついでに私の"真の立場"を公表することにした。
私はセラフィンに顔を向けると、セラフィンは静かに首を縦に振った。
「お前達......エリオスも。私の話を聞いてほしい。......私も知らなかった事なのだが、どうやら私は"創世神"らしいのだ」
「......"創世神"?どういうことだい?レヴィ」
エリオスは怪訝そうに私を見た。
そして、エリオスは聖剣を仕舞おうとはせず、矛先を四天王へと向けていた。
「ここからは私が説明させていただきます」
セラフィンが私の前に出ると、事の顛末を全て話した。
私が"創世神"である事。自ら魔界へと身を投じた上で魔王となった事。
......これからは"中立の審判"となり、人間界と魔界を統べる存在になると言う事。
四天王達は黙ってセラフィンの言葉を聞いていた。
一通り話をし終わると、四天王達は下を向きフルフルと震えていた。
......やはり、もう私を"魔王"とは認めないか......。
そんな事を考えていると、四人は一斉に顔を上げ、何故かキラキラした目で見つめてきた。
「つ、つまりは!魔王様は世界征服をも達成させていると言う事なのですね!!」
「い、いや。まだ周知はされていないが......」
「いえ!それでも!世の中に"魔王レヴィ"の名が広まるのだと思うと......!!あぁ。私は嬉しいです......」
「......どちらかと言うと、"中立の審判"として名を馳せたいのだが......」
――良かった。四天王達は反対することはなかったむしろどこか喜んでいるような?
「......魔王様。我々も人間と友好の関係を築けるでしょうか?」
「あぁ。心配いらない。私なぞ人間の子供に懐かれてしまった。だから安心しろ」
「......人間の子供に?」
「あぁ。しかもいろいろな言葉を教えてもらったぞ!」
そう言った私にセラフィンは慌てて声をかけた。
「れ、レヴィ様!そのお話は......」
「心配いらないぞ聖女。我々も魔界で見ていたからな」
「......お前達、まさか職務を放り出して......魔水晶を使ったな?あれはそんなに使うものじゃないと何度言えば......」
私がそう言うと四天王達は大声を出して一斉に言った。
「「「「使用するに値していたからです!!」」」」」
こんな奴らを見ていると、不思議と胸が温かくなった。
"創世神"であろうと、"中立の審判"であろうと、私にとっては大切な四天王なのだ。
――そして、彼らとならば魔族と人間、決して相容れない二つの種族も、いつかは共に歩んで行けるのではないか。そんな気がした。




