第27話
――一方その頃、魔界の魔王城では......
「ま、魔王様......!!そのような無防備で!!」
「に、人間風情が魔王様に何という態度を......!!」
「魔王様が、お嫁さんに?!......くそう。羨ましすぎる......!!」
「......それにしても、我々はここまで魔王様を"箱入り"にしてしまっていただろうか......?」
「「「......」」」
まず、そこである。
魔界において、魔物ですら恐れおののく魔界の頂点である"魔王"。
それが人間界に行ってからはどうであろう。
知らない言葉に興味津々になったり、勇者と聖女に言い寄られたり......。
「ハァ。我らが魔王様は、人間ですら魅了してしまうのであると言うのか......」
「魔王様に魅了されない存在がいるはずないであろう!!」
アスモデウスがそう言うと、ひとつの枕を手にしていた。
「......アスモデウス、それはなんなんだ?」
「いいところに目をつけたね!!これは、魔王様等身大抱き枕だ!!これさえあれば魔王様と添い寝をいつでもできると言う......ってあぁーー!!」
アスモデウスが見せつけていると、その枕をマモンが消し炭と化した。
「マモン!!なんてことをするのだ!!私が丹精込めて作りだした"いつでも魔王様と一緒枕"を......!!」
「......アスモデウス。お前はそのようなまがい物で満足なのか?」
「......え?」
マモンがアスモデウスに問いかける。
「魔王様はいわば我々魔界の美しき神秘なる存在......!!人間に渡してはいけないのではないのか......?!」
「マモン!!」
「それもそうですね。我々魔界の王である魔王様を人間風情なぞに奪われてはなりませんね」
「ルシファー!!
「......あわよくば、魔王様を我々の手中に......ギヒヒ」
「......ベルゼブブ。お前は何を考えている?......しかし、そうだな......我々の籠の中で愛される魔王様......イイ」
アスモデウスの色欲が、ベルゼブブの言葉によって刺激された。
「あぁ、魔王様......その美しい白磁の様なお体に薔薇のように赤い印をたくさんつけて差し上げたい......」
「そうだ。アスモデウス。魔王様にも魔王様らしさを取り戻していただけなければならない。......人間との共存など......人間が我々を受け入れない限りあり得るはずなどないのだから」
ベルゼブブは魔水晶に映し出されたレヴィを愛おしく撫でる。
......四天王達もどこか心の隅では望んでいた。
......自分達を恐れず、人間と共存できる世界の平和を。
......いつからであろうか。
人間が魔界を恐れ、魔界と人間界に隔たりが出来てしまったのは。
四天王達も思っていた。
人間に、"魔界は恐ろしい世界ではない"と思われたい、と。
――それを一番望んでいるのが主である、魔王レヴィであると。
「――これから我々も魔王様の元へと行くぞ。......これからの魔界のために」
「「「我らが主、魔王様のために!!」」」
魔王城に四天王達の声が響き渡った。
――魔王レヴィを取り戻すため。そして、これからの魔界と人間界のために。




