第17話
人間の不思議がわかったところで、エリオスは職務へ、ルナリア達は家庭教師の時間でレイフォード兄弟と共に自室へ。
......残されたのは私とセラフィンの二人だけ。
正直な話、セラフィンは常に笑顔で何を考えているかが分からないので......少しだけ苦手だ。
「レヴィ様、良ければ聖祈堂にいらっしゃいませんか?」
「......神聖な場所であろう?魔王である私が行ってはいけないのでは?」
「ふふ、貴方様なら大丈夫でしょう」
「?何故だ?」
セラフィンはにこりと笑うだけで、答えてはくれなかった。
そして"ついてこい"と言わんばかりに歩き始めた。
私は仕方なくセラフィンの後へ続く。
――たどり着いたのは王城の最奥の聖祈堂。
こんな人気のないところにあるとは。
「さぁ、レヴィ様どうぞ。」
「......邪魔をする」
「そんなに警戒しなくても大丈夫ですよ。......やはり貴方様は......」
創世神の像はステンドグラスから光が差し込み神秘的に輝いていた。
それにしてもこの像、なんだかどことなく......私に似ている?いや、ただの気のせいだ。
「セラフィンお前は毎日ここで祈りをしているのか?」
「えぇ。......レヴィ様......」
「?な、なんだ?」
「やはり!わたくしの目にくるいはありませんでした!!貴方様は創世神様その人ではありませんか?!」
セラフィンは普段の大人しさが消え去り、興奮しきっていた。
目が血走り、息が荒い。
......とてつもなく恐ろしい......
「セラフィン!しっかりしろ!!私は魔王だぞ?!創世神なわけがないであろう!!」
「いえ!レヴィ様!!ハァハァ!!出会った時から思っていたのですよ?!貴方様は魔王であり、創世神様である!!覚えはありませんか?!人間界を作った時のことを!!」
......私が創世神だと?人間界を作った?......痛い......頭が割れるように痛む。
目の前がぐるぐると回るようだ。
――そして知らないはずの光景が、脳裏に流れ込んでくる。
......笑い声。幼い子供達の声が聞こえてくる。
いつもいつも私に花を持ってきてくれる。
私はそれを笑顔で受け取り子供達の頭を撫でる。
「創世神さま!こちらへ来てください!!」
そう導かれた私は歩み始めた先。
......大地が揺れた。足元がガラガラと崩れ落ちていく。
......あぁ。もう時間なのだ。
「お前達なら、......もう私がいなくても大丈夫だろう?」
私は静かに微笑んだ。
「さらばだ――」
「......ま!レヴィ様!!」
「!!あれ......私は、一体」
「急に倒れになったのですよ?......わたくしも詰め寄りすぎました。申し訳ありません」
セラフィンは落ち着きを取り戻したようでいつもの清楚な"聖女"に戻っていた。
......それにしても恐怖を与えられたのはいつぶりだ?セラフィンの本性を見てしまって私はもうセラフィンと二人きりになるのは極力避けよう。
そう心に誓った。
......と、いうか。
「ヴァルクはどうした?」
こういう時のための護衛では無いのか?




