↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王、勇者と聖女(男)から溺愛される~部下からも言い寄られて困ってます!?~  作者: 朱音小夏


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

15/35

第15話

「ところでレヴィ?あそこにいるのは、あなたのきしさま?」

「?あぁ。彼の名はヴァルク。私の大事な騎士です。ルナリア様も仲良くしてあげてください。......ヴァルク、何故そんな遠くにいるのだ?こちらに来い」

「......ですが、魔王様。そのような小さな生き物、触れたら壊れてしまいそうで......」


......そうだった。

ヴァルクは子供や小さきものが"壊れそうで怖い"と言う魔族らしからぬ優しい心の持ち主であった。

まったく。誰に似たんだか......?私か?


「ヴァルク!あなたともおはなししたいわ!」

「ほら、王女様のご要望には応えないと、な?」

「......!!魔王様!!」


ヴァルクは"お願い"や"命令"には弱いのだ。

その証拠に......ほら。もうこちらに来ている。


「ヴァルクはくろいよろいなのね!かっこいいわ!」

「ルナリア王女、私よりも、ですか?」

「!!......レヴィは"うつくしい"や"きれい"ということばがにあうわ?」


ルナリアはそう言うと、私の手を握り駆け出した。

......一体どうしたと言うのか?


「レヴィ!わたし、あなただけにみせたいものがあるの!!」

「見せたいもの、ですか?」

「こっちこっち!」


そしてやって来たのは中庭にある薔薇園のさらに奥。

......そこは王族しか知らない場所であるとルナリアが言った。


「小さくも、神々しいオーラを纏っているな......」

「?レヴィこっちからはいるの」

「......おじゃまします。......これは......」


そこには一本の大木が立っていた。

その木には白銀に光る薔薇が咲き誇っている。


「ここはね、やさしいばしょなの」

「優しい......?」

「るながさびしいとき、ここにくると、おはなさんたちがおはなししてくれるの」


喋る薔薇か......実に興味深いものだ。

......しかし。


「良いのですか?私に秘密の場所を教えて」

「だってレヴィはやさしいもの。こころがきれいじゃないと、おはなさんたちはみえないの。ははさまがいってた」

「......私は魔王ですよ?」

「るなはいいとおもうなぁ。こころのきれいなまおうさま!」

ルナリアの言葉が胸の奥に響いた。......心の綺麗な魔王、か。そう思われるのも悪くないものだな。そう言えば、最初は私を警戒心でいっぱいの瞳をしていたのに、今は私に心を許してくれているようだ。


「ねぇ、レヴィ?このガラスのバラ、ここにかざってもいい?そしたらるな、まいにちここにくるわ!」

「......なぜです?」

「だって、レヴィにあえないときでもここにくれば、レヴィのバラがあるから、さびしくないわ!」

「......ルナリア王女。貴方と言う人は......どうしてこうも嬉しい事を言ってくれるのですか?」

「?レヴィ??」


魔王だからと人間達から恐れられ、孤独の中にいたというのに......何故かここに来てから人間の温かさが分かった気がする。


「レヴィ?!ないてる!だいじょうぶ?!」

「......え?」


頬を伝う温かなものに、私はしばし理解が追い付かなかった。

涙?魔王であるこの私がこの小さな少女の言葉で......?


「......おかしいな。こんなもの、流した記憶など......随分昔のことなのに」

「レヴィ?かなしいの?だいじょうぶ?」


私はルナリアの言葉に首を横に振った。


「きっとこれは"嬉しい"という感情なのでしょう」

「うれしい?」

「えぇ」


私はルナリアの頭を優しく撫でた。


「......ありがとう。ルナリア王女」

「?わたしはなにもしてないわ?」

「いいえ。貴方は孤独だった魔王に......温かな居場所をくれました」


......とてもしみじみとしていた空気だった。

だがしかし、その空気をぶち壊した人物が......二人。


「レヴィ!探したよ!!ってルナ!おまえがレヴィをここに連れて来たのかい?」

「そうよ、にいさま!......あ!るなね、おおきくなったらレヴィのおよめさんになるの!!」

「......は?」

「......」

「?子供の戯言だろう?......お、おい。なんで二人ともそんな怖い顔をしているんだ?」


あぁ。長く生きてきたが、このような経験は初めてだ。

魔王が言うのもなんだが、助けてくれ神よ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。