第12話
「がっはっはっは!!風呂場で鼻血を出して倒れる!そして、魔王に回復魔法をかけられるとは!!ちゃんちゃらおかしな話だ!!」
「国王様......ふふっ......笑っては、ふ、可哀そうですよふふふ」
「......二人ともいい加減にしてくれないかい?」
あの後、戻りの遅い私達を心配して、使用人数名が大浴場へとやって来た。
そこで倒れているエリオスと、回復魔法をかけている私を見て大騒ぎとなった。
「しかし、思春期の子供ではあるまいし。身体を洗えと言われた程度で......我が息子ながら情けない......」
「......屈辱」
「エリオス?私は気にしていないぞ?鼻血が出る程お前にとって浴室は熱かったか?」
私の言葉に周りがシーンとなってしまった。
はて?どうして皆黙ってしまったのだろうか?
私が疑問に思い、首を傾げると、皆身体をぷるぷる震わせた。
そして次の瞬間、堰を切ったように笑い声が湧き起こった。
「がっはっはっは!!レヴィ。貴殿もなかなか的外れな事を言うものだな!!」
「......それはなんだか褒められてる気がしないのだが?」
「そんな事は無いぞ?貴殿のお陰で場が見事に盛り上がった!感謝するぞ!!」
「わたくしも、面白い話を聞けて......ふふ、楽しいですよ?」
セラフィンまでもが笑いを抑えられずにいた。
まったく。エリオスのせいで私まで笑いものになってしまったではないか。
私は思わずワインをグイっと飲み干した。
「おぉ!今日はいい飲みっぷりだな!さぁ、ジャンジャン飲むがいい!!」
私は国王に勧められるがままワインを飲んでいった。
いつもならこの程度のアルコールなど、へでもない。
しかし今日は何故だか気分がいい。
段々と正気が保てなくなってしまった。
「ふふっ......あはははは!!」
「れ、レヴィ?ど、どうしたんだい?」
「うふふ......あぁ暑い。......脱ぐ」
「「「?!」」」
私はなんだかおかしな気分になっていた。
身体が熱くて熱くて仕方なかった。
しかし、酔っているせいか、せっかくエリオスが外し方を教えてくれたボタンは外せない。
......もう引き千切ってしまおうか。
そう思った瞬間、ヴァルクから手を掴まれた。
「ヴァルクぅ?なんだ?私は服を脱ぐだけだぞ?」
「"だけ"ではありません。ここで脱いだら危険ですよ?お部屋へ戻りましょう」
そう言うとヴァルクは私を抱きかかえた。
「いや!いやぁ!まだ飲む!!まだ飲める!!」
「酔っ払いは皆そう言うんですよ。皆様。我が主君が申し訳ありません。本日はこれで部屋に戻させていただきます」
「あ、あぁ。ヴァルクと言ったか?よろしく頼むぞ?」
「御意」
私はヴァルクの瞬間移動魔法によって自室へと戻ってきた。
そしてベッドへと転がされる。
......主人にたいして、この態度はどういう事だ。
まぁ、今は気分がいい許してやろう。
「ヴァルクぅ......おいで?ご飯を上げようねぇ」
「......知りませんよ、もう。」
そこからの記憶はない。
ヴァルクに"餌"を与えたのか?
......ただ、今確実に言いえることはただ一つ。
「......頭が痛い」




