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9.電車以外のつながり

夏祭りの翌日、昼前までベッドでゴロゴロしていると、スマホに一通のメッセージが届いた。

ショートメッセージで知らない番号が表示されている。

またスパム系のメッセージかと削除しようとした時、一行めの文章を見て目を疑った。

「花森です。」

なぜ?と困惑しながら全文を見る。

「友人に大空くんの番号聞いちゃいました。昨日は本当にありがとう。探しに来てくれてすごく嬉しかった。大空くんにはいつもいつもお世話になりっぱなしだね。いつかお礼したいな。こんな私ですが、今後ともよろしくお願いします。」

状況を飲み込めず、数秒フリーズした俺は、昨夜のことを思い出した。

花森さんを見つけ和希たちの元へ戻った時、花森さんの友人がまだ一人で探していて戻ってこないので、スマホを忘れたと言う花森さんに代わって、花森さんの友人に電話したのだ。

その時に俺の番号が花森さんの友人に伝わった。

それを花森さんに教えたと言うことか。


「無事見つかってよかった。俺が勝手にしたことだから気にしないで。」

と送ったが短すぎたかな?こりゃ会話が続かない返信だったな、とスマホを置こうとした時、早くも花森さんからの返信が返ってきた。

「夏休みの宿題終わった?」

「いや、まだ夏休み2日めだぞ?」

その後数分取り留めのないやり取りが続き、会話は途切れた。


電車以外でこんなに会話をしたのは初めてだから、なんか新鮮だな。画面越しだけど。


その時、今度はスマホの着信音が鳴った。

一瞬花森さんかと思った。

が、相手は和希だった。


「よう、今から遊びに行っていい?」

てなわけで、突然家にきた和希は、昨日の祭りデートの話を嬉しそうに語り尽くした。


惚気話を適当に聞き流していると「で、そっちは?」と急に話を振ってきた。

「え、なにが?」

「とぼけちゃってー昨日お前が探しに行ったあの子、初対面じゃないだろ」

「あ、あーまぁ」

「何?どう言う関係?」

ときらきらした目で聞いてくる和希に、渋々電車での出来事を話した。

一通り話を聞いた和希は、そっかそっかと嬉しそうに頷いた。

「でも意外だな。太陽が優しいのは知ってるけど、見知らぬ人に自分から声かけるタイプじゃないじゃん。俺は感動した」

と泣き真似をする和希。

「でもそんなんじゃないから、ただの通学仲間だから」

「えーいい子そうだったじゃん。美人だったし。風ちゃんには負けるけど」

そう言う和希は白杖のことには全く触れず、うちの学校の女子の一人のように見ていて、やっぱりこいつに話してよかったと思った。

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