表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
3/20

3.電車で席を譲れた


翌日、昨日と同じ時間に目を覚ました。

違う、目を覚ますようにアラームをかけた。


あの電車に乗れば、また彼女に会えると思った。

我ながら気持ち悪い。


昨日の自分の不甲斐なさがどうしても許せなくて、いつもなら動けなかったことを後悔して終わるんけど、なぜか終わららせたくなかった。


自分でもなぜだかわからない。


決して下心とかでは無い。

うん、ないない。


そして、昨日と同じ電車に乗り込んだ俺は、素早くドア近くの席を確保した。

そして、彼女が乗車してきた時のために頭の中でシミュレーションを繰り返す。


いきなり話しかけたら驚かれるだろうか。

肩を叩く?いや、その方が驚くか。

そもそも、昨日と同じドアから乗車してくるとは限らない。


などと考えているうちに、彼女が昨日乗車してきた駅に到着した。

ドキドキしながらドアの方を見つめていると、白い杖をつきながら昨日の彼女が乗車してきた。


俺は勇気を振り絞って声をかけた。

「あの、ここ空いてますよ」

緊張しすぎて声が裏返った。

彼女は乗車直後の声掛けに少し驚いたようだが、すぐに笑顔になった。


「ここってどこですか?」


しまった

そりゃそうなるわ。


「あ、すみません。案内します」

と言ったものの、女性の手を掴むのも気が引けオドオドしていると

「じゃあ右肩いいですか?」

と彼女が左手を小さく挙げた。


「はい」と彼女の手のあたりに右肩を寄せると、彼女の手が優しく俺の肩に下ろされた。


俺はゆっくり歩き出し、俺が座っていた席の前に彼女を連れて行った。


「席の前まで来ました」

と彼女の方を見ると、俺の肩から左手を離し座席を触った。

席を確かめた彼女は「ありがとうございます。譲ってくださったんですね」

とニコニコしながら俺の方を見た。

「え、なんでわかったんですか?」

「席が温かいから」


なんてこった

なんかめっちゃ恥ずかしい。


「本当にありがとうございます」と重ねてお礼を言い、彼女は席に座った。


「いえ」と照れを隠すように、俺は奥の空席に移動した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ