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2.何も言えないできない俺

電車での出来事を思い返しながら、俺は学校の門をくぐった。


教室に入るとまだ3分の1ほどしか人はいなかった。

いつも遅刻ギリギリに登校してくる俺が現れたことに驚きを隠せないといった様子で、数人がこちらを訝しげに見てくる。


そんな視線を無視して自分の席に座った俺に、1人の男子が声をかけてきた。


「おう、どうした太陽。早いじゃん」

「別にどうもしねーよ。たまたま早く起きただけ」

「ふーん、それより今日帰り付き合ってくんない?」

と、神谷和希は照れながら言った。


「いや、もうすぐ風ちゃんが誕生日でさ。

誕プレ買いに行くのついてきてくんない?」

風ちゃんとは和希が高校入学時に一目惚れし、運良く同じクラスになれたことに運命を感じた彼は、猛アタックを実らせ

見事彼女にした田辺風華だ。


中学の頃は、女子と楽しげに話す男子を、指を咥えて見ていたのに、こいつも成長したものだ。


それに比べ俺は、何1つ変わっていない。

そりゃ俺も年頃の男子。女子を見て、可愛いな、お近づきになりたいななどとか思うことはある。

でも思うだけ。

それを行動に移すことはないし、なんなら口に出すこともない。


どうすれば行動力ってつくのかな。

多分俺のステータスは思考力ばかり成長して、行動力は0に等しい。


そんな自分にうんざりしながら、和希に「いいよ」と返事をした。


放課後、雑貨屋を3箇所梯子し、2時間かけて悩みに悩んだ末、結局一見目のお店で花柄のマグカップを購入。

俺が提案したものは、風ちゃんには似合わない、派手すぎる、ださいなどとケチをつけられ、全て却下された。


これ、俺くる必要なかったじゃん

と、少しムッとしたが、和希の満足げな笑顔をの横でそんなことは言えない。

また思ってるだけ。

長い付き合いの友人に対してもこんな調子だ。


さらに帰りの電車で、また今朝の公開を思い出し、一層どんよりした気分で帰路についた。

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