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公正5

 苛酷(かこく)な二回試験にも合格し、就職活動した弁護士事務所からも良い返事をもらった。

 いよいよ結婚の準備が始まった。



 結婚式の打ち合わせは、面倒臭いことこの上もなかった。


 新米弁護士は、それでなくても事務所のやり方やスタッフを覚え、与えられた仕事をこなすだけでいっぱいいっぱいだ。

 なのに、なけなしの自由時間を全て結婚と新居の準備にとられた。



 幸子と二人でホテルに出向いて、式次第や出席者の確認、料理や引出物、お色直しごとのドレス、司会者、決めることは多岐(たき)にわたった。



 幸子は万事控えめで、公正がさっさと決めても、横で黙ってうなずくだけだった。

 だが、影山夫妻の方がうるさかった。


「おれたちの子の、初めての結婚式だから、盛大にしなければ」

 事あるごとにそう気炎を上げて、結婚する当人たちよりも盛り上がるのだった。


 出席者をどんどん増やしたり、席次を任せたらいつまでも決められなかったり、料理に文句を言ったりした。

 仲人はいらないと言ったのに、いつのまにか影山夫妻が勝手に頼んで、おかげで日向たちはそこに挨拶に行かねばならなくなった。




 おまけに、新居のことまで!


 家を建ててやる、と聞いた時は、夢かと喜んだが。


 人に金を出してもらうことの窮屈さを、日向はイヤというほど学んだ。



 職場に近い方がなにかと便利だから、と、影山家の近所になることだけは避けた。

 さすが不動産業者だけあって、土地選びは本当に助かった。


 しかし、建物のデザインから部屋割り、内装、ことごとく口を出されるのには、正直イライラした。

 ちょっと抵抗しかけたが、日向はすぐにあきらめた。


 破産事件が入ったので、もう、任せた方が楽だと悟ったのだ。

 

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