公正3
学内での勉強会ーM会というーで、確かな実績がある。
実戦形式での答案練習会と少人数でのゼミで、合格者が教えに来てくれるということだった。
そろそろ将来の不安が頭をかすめるようになっていたので、日向は参加することにした。
年齢も性別も社会的身分も様々な人々がまじってのM会は、まあまあおもしろかった。
しかし、日向は何度か行っただけで、止めてしまった。
単純に、日曜九時からの参加に、間に合わなかったからだ。
そのころ日向は年上のОLとつきあっていた。
彼女と一晩中、ただれた行為を楽しんだ翌朝は、どうしても起きられなかったのである。
あのくらいのことなら、独学で十分だ。
そう高を括ってもいた。
そのおかげで、合格に手間取ったが、それでも二十代のうちに合格した。
影山家の姉妹に出会ったのは、修習生の時だ。
居酒屋で、修習生仲間といつものように飲んで騒いでいたら、堂々とした風采の男に、たしなめられた。
もっとも、騒いでいたのは他のヤツで、日向は無理やり引っ張ってこられて、他人のふりをして、ひっそりと飲んでいただけだった。
何がどうなったのか、酔っ払い同士で意気投合して、その男の家に行くことになった。
タクシー二台で、向かった。
豪邸に招じ入れられて、気後れした修習生たちは、急に酔いが醒めて小さくなった。
奥から、小柄だが迫力のある美人の夫人と、モデルのような若い女が出てきた。
若い女はこの家の娘だった。
修習生たちのどよめきに、主人は満足した様子だった。
夫人が気配りしてもてなすと、修習生たちはやっとくつろいで、飲み直したり、ゲームに興じたりし始めた。
日向は、早く帰ってゆっくり寝たかった。
提出期限が明日の、教官からの課題も気になっていた。
ぽつんと独りでいると、影山氏が気を遣ったのか、話しかけてきた。
影山家の娘も近くにいたが、日向は気づかぬふりをした。
いかにも金の力で磨き上げた感じの美女に、軽く反感を覚えていたのだ。




