瑠璃2
だが、この頃、瑠璃には別の楽しみができた。
外出していると、どこでも、視線を感じないことがない。
通りでも、店でも、ゲーセンでも。
男も、女も。
老いも若きも、みなが瑠璃を見る。
初めは、ガンをつけているのかと思った。
しかし、すぐにわかった。
「瑠璃は、きれいだもんね」
「いいなあ、瑠璃は、美人で」
「みんな、瑠璃ばかり見てるよ」
「おしゃれの仕方、教えて?」
話の合う女子たちと、おしゃれやアイドルや、男の子の話で盛り上がった。
金払いのいい、姉御肌の瑠璃は、人気者になった。
瑠璃を囲むグループは大きくなった。
学校でも街でも、怖いものなしだった。
学校では、先生を無視して、好きに過ごした。
街ではひとかたまりになって、通行人や店を冷やかしてまわった。
刺激的で、おもしろおかしい日々。
男だって、望みのまま。
ちょっと声をかければ、おもしろいほどにのぼせ上って、何でも言うことをきく、しもべになった。
あいつなんて、めじゃなかった。
あいつなんて、まじめで、がり勉で、おもしろくもなんともない、陰キャだった。
何度か、面白半分にからかってやった。
無表情でうんともすんとも言わないから、すぐに飽きたけど。
陰気臭い女なのに、なぜかあいつに寄ってくる男もいた。
大したことがない男子ばかりだったけど、横取りしてから、捨ててやった。
だいたい、あいつの母親よりも、ママの方が先だったんだから。
わたしの方が、先に生まれているし。
ママとわたしがいたのに、図々しくパパを横取りなんかして。
リベンジだ。




