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33話 始めよう! 健康的な町づくり!

前回のあらすじ


元ゾンビたちが健康になってなかった

「みんな~、朝ご飯を持ってきたわよ~」


 ラジオ体操で力を使い果たした領民のみんなに、ゾヴィ夫人とスライムたちが朝食を持ってくる。

 メニューは牛肉にレタスとトマト、刻んだ玉ねぎをふっくらパンで挟んだ、簡単サンドウィッチ。

 このパンはグリーンソイルで育てた小麦から作ったものだ。

 小麦を加工する方法はわからなかったんだけど、ゾヴィ夫人が色々詳しくてテキパキと作ってくれた。

 さすが料理人だね。


 そして飲み物は野菜と果物のミルクスムージー。

 ビタミンや食物繊維たっぷりな体にいい飲み物。

 結構いい感じに作れて、アンナちゃんからも好評をもらった。


「普通にウマいな」

「……カサカサじゃない、ふっくらしたパン、初めて食べた」

「この飲み物も甘くて濃厚で美味しいですねー」


 うんうん、領民のみんなもご満悦のようだ。

 そして食事を終えて元気を取り戻したみんなに、今日の仕事を伝える。


「メタゴブ部隊とガリンプ部隊は畑仕事、グチャゾビ部隊は牛(ゾンビーフ)のお世話をしてもらいまーす!」

「「「「「えー?」」」」」


 あれ、なんか領民のみんなが不満な声を出し始めた。


「オレたち、もともと兵士としてココ来た!」

「……見回りトカ、疲れない仕事ヤリタイ」

「訓練とか、もっと兵士らしい仕事を求めます!」


「えー……」


 呆れて私も「えー」と言ってしまう。


「みんな、言っておくけど……町にあるちゃんとした食料、今日までの分しかないよ」


「「「「「え!?」」」」」


「『え?』じゃないよ! 私たちだけで作るには限度があるんだから!」


 いくらグリーンソイルがあっても人手が足りない。

 昨日のおもてなしも一週間かけて用意したんだから。


「畑仕事も、牛のお世話も、町を発展させるのに必要な立派な仕事なんだから。兵士らしい仕事をしたいなら、まずは自分で食べるものを自分で作ろうよ!」


「グギギ……正論ダ……」

「……確かに、腐ったゾンビ肉としなびた野菜には戻りたくナイ」

「仕方ないですね。言われた通りに働きましょう」


 みんなが渋々と言った感じで納得する。

 いや、大丈夫かなこれ?

 ただでさえラジオ体操で力尽きる面々なのに。

 これは、もうちょっとやる気を出してもらう必要があるね。


「じゃあ頑張った人は、またクリーンホットバスのお風呂に入れてあげるよー!」

「「「「「おー」」」」」


 みんなが少しやる気を出す。

 うーん、でもまだ足りない気がする。


「もっとやる気を出させる方法ないかな……?」

「ふふ。そういう事なら任せて頂戴クリア様♪」


 そう言ってクインがみんなの前に出る。

 何をする気なのかな?


「ふふ……さらに……すごぉく頑張った子には……。私がイイこと……してあげるわよぉ」


 そう言いながらクインは妖艶な笑みを浮かべ、腕を組み胸を寄せるようなポーズをとる。


 え、まさかのお色気作戦?

 いやいや、それでお風呂よりやる気を出すとは思え——。


「ウォォォ!! ヤルゾーーー!!」

「……オイラ、死ぬ気で頑張る!」


「めちゃくちゃやる気出てる!?」


 結局男って、お風呂よりも性欲なの!?

 そして元ゾンビのみんなは——。


 ボォォォン!!!


「また頭吹っ飛んだーー!?!?」


 しかも完全に人間の見た目だからよりグロい!

 その後もちろんすぐ再生する。


「この日のために生きてきました!」

「ゾビ夫さん! あなた奥さんいるでしょ!」

「ふふ、昔からああなのよね~」

「ゾヴィ夫人は寛容すぎ!」


 でも、みんなやる気を出したようだしまあいいか。

 と思っていると、今度はクインがアンナちゃんを連れて前に出る。


「おい、なんでアタシを前に出す?」

「やる気をもっと出させるためよぉ。みんなぁ、もしサボったりして真面目に働かなかったら……アンナちゃんがイイこと、しに来ちゃうわよぉ」

「な!? 貴様勝手に何を!?」

 

 ……なんか罰ゲームみたいに言ってるけど、それってご褒美なんじゃ?

 あれ、でもこの世界ってロリコンがいなかったんだよね。

 ということは……。

 

「イヤダァァァァァ!!!!」

「……あんな子供のチンチクリンが初めてなんてイヤダァァァ!!!!」

「く、なんという飴と鞭……!!」


「お前らーー!!」

「想像以上に罰ゲームになってた!」


 ……とまあ、アンナちゃんの精神を犠牲にやる気を出したみんなをさっそく作業に入らせる。

 まず二手に分かれ、私とアンナちゃん、メタゴブ部隊とガリンプ部隊で農作業。

 クインとゾヴィ夫人、グチャゾビ部隊で牛の解体、搾乳、お世話を分担する。


「よーし、じゃあ農作業を始めるよー!」


 私はそう言って、メタゴブ部隊のみんなに鍬を。

 ガリンプ部隊のみんなに種が入った小さい麻袋を持ってもらう。

 さっそく耕し作業の開始だ。

 ここの土も屋敷の庭と同様で、土壌がやせてる上にめちゃくちゃ固い。

 なので、昨日のうちにグリーンソイルを撒いて問題を解決しておいた。

 これならちゃんと耕せるはずだ。


「行けーメタゴブ部隊! 土を耕せー!」

「「「「「おーー!!」」」」」


 みんなが一斉に土を耕していく。

 体型のせいで上手くいかず転んでしまったりもしてるけど、すぐに起きて再び鍬を振る。

 凄いやる気だ。


「クインのお色気作戦大成功だねアンナちゃん」

「……ああ、そうだな」


 アンナちゃん、なんか体育座りしていじけてるけど大丈夫かな?


「アンナちゃんはガリンプ部隊の先導をお願いね。私はメタゴブ部隊を手伝ってくるから」

「何? お前も行くのか?」

「もちろん! みんなばかり働かせることなんてできないからね!」


 それに農作業はいい運動にもなるだろうし健康にもいいはず!

 鍬を持って早速メタゴブ部隊のところに行く。


「おりゃおりゃおりゃおりゃおりゃー!」


 ザクザクザクザクザクザク!


 みんなに負けじと鍬を振っていく。


「元気なやつだな。ガリンプ部隊。あたしたちも行くぞ」

「「「「「おー」」」」」


 耕した土にガリンプ部隊のみんなが種を蒔いていく。

 そして最後にスラちゃんの水魔法で水を撒いて完璧。


「ほらほら、みんなもっと頑張れー!」


 ザクザクザクザクザク!


 メタゴブ部隊のみんなを置いていく勢いで土を耕していく。


「……アイツ、一応オレたちの上司ダヨナ? なんでオレたちより仕事してんだ?」

「……もしかして、クイン姉さんのイイコト、狙ってる?」

「ソウダ、そうにチガイナイ!」


「変な誤解しないでよ!」


 まあ、またあのおっぱいの感触は味わってみたいけど……。

 スライムだからすごくプルプルしてたし。


「って違うからー!」


 邪念を振り払い、とにかく鍬を振っていく。


 一方、クイン、ゾヴィ夫人、グチャゾビ部隊のみんなは——。


「まずはこの子達のお肉を頂くわよぉ。『アクアカッター』♪」


 クインが水の刃で牛の体を綺麗に切り分けていく。

 そしてグチャゾビ部隊が解体した肉を回収。

 その間にゾンビーフは体を再生して元に戻る。


「いやぁ、なんかこの牛親近感を覚えますね」

「俺たちも自分の肉をちぎって食べさせていたしな」

「同じ元ゾンビの仲間だな」


 仲間意識が芽生えたのか、みんなが牛たちを優しく撫でていく。


「はい、次は搾乳よ〜。やり方を教えるから頑張って搾ってあげてね〜」


 ゾヴィ夫人が牛の乳搾りのやり方を説明し、元ゾンビのみんなが乳搾りをしていく。


「これが牛乳ですか」

「ゴクリ……なんか妙にドキドキするのは俺だけか?」

「今度からもっとありがたく飲もう」


「最後に、牛たちに感謝しながら体を洗ってあげてねぇ」


 綺麗な水を汲んだ桶とブラシを用意し、牛をゴシゴシと洗っていく。


「……なんか、同じ元ゾンビなのに私たちより扱いがいいですね」

「俺たちもお世話されたい」


「ほらぁ、無駄話してるとアンナちゃんがイイコト、しに来ちゃうわよぉ?」


「ヒィ〜〜!!」

 

 クインがまた、アンナちゃんが聞いたらいじけそうなことを言う。


 ……こんな感じで作業を進め、そして夕方。


「つ、ツカレタ……」

「オイラ……もう一歩も動けナイ」

「いやー、骨が折れましたよ。数十回くらい」


 作業を終えたみんなはクタクタになって地面に寝転んでいた。


「うんうん、みんな良くやったよ! ちゃんとご褒美用意してるからね! ゾヴィ夫人!」

「は〜い」


 ゾヴィ夫人とスライムのみんなが鉄板と大量の肉と野菜を持ってくる。


「今夜は焼肉パーティーだよ! 今日解体したばかりの牛と、残った野菜全部焼いちゃうから、好きなだけ食べてー!


「「「「「おーー!!」」」」」

 

 さっきまで疲れはどこへやら、みんなが一斉に焼肉へ群がる。


「この肉、私たちグチャゾビ部隊が取ったんですよ」

「ウマイ! お前たち、いい仕事シタナ」

「……肉、最高!」


「みんな、好きなだけとは言ったけど節度は持ってねー!」


 そしてみんながパーティーを楽しんだ次の日。


「「「「「さ、作物が実ってるーー!!!」」」」」


 グリーンソイルの力で実った作物たちがみんなを迎える。


「オレたち、今日もガンバるぞ!」

「……オイラたちも……!」

「精一杯頑張りましょう!」

 

 その様子を見て、私は満足そうに頷く。


「うんうん、みんな健康的生活に目覚めてきたようで良かったよ」

「……そこまで目覚めたかはともかく、ようやく一致団結してきたな。お前も少しは四天王らしくなってきたじゃないか」


 アンナちゃんが笑みを浮かべながら褒めてくれる。


「なんか照れるなー」

「だが、これは始まりに過ぎないぞ。まだ生活基盤を作り始めただけだ。これからまだまだ町を発展させないといけないぞ。特に重要なのは軍備だな」

「ぐ、軍備?」


 なんか健康とは関係ないワードが出てきた。


「当たり前だろう。クリア、なぜ四天王の一人がここにいなければならないと思う? それはこの土地が魔王軍にとって守らなければならない場所だからだ」

「え……それってどういう——」


 そう聞こうとした時、ゾヴィ夫人とクインが向こうからやってくる。

 

「クリア様〜」

「早く今日のお仕事始めましょう♪」

 

「……まあ、この話はまた今度にしよう。今はこの町の生活を安定させることが重要だからな」


 アンナちゃんはそう言ってみんなのところへ行く。


「……よくわからないけど、まあいっか」


 今はみんなを健康にすることが何より大事だからね。

 他のことは後で考えよう。

 そう思って、私もみんなのところへ走って行った。

ここで第一章終了です。

ここまで読んで下さった方ありがとうございます。


今のところチートを使った町づくりって感じですね。

楽しんでいただけてると嬉しいのですが。



タイトル伏線の最強軍団は二章で回収予定です。

新キャラ色々出していく予定なのでお楽しみに。


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