24話 健康的にジョギングしよう!
前回のあらすじ
健康的なプロポーションのスライムが仲間になった
「えっほ、えっほ。ほらアンナちゃん、遅いよ!」
無事水源を浄化して、ついでにスライムクイーンのクインを仲間にした私たち。
屋敷に戻った翌朝、アンナちゃんと昨日約束したジョギングに行っていた。
「はぁっ……はぁっ……。なんでアタシがこんなことを……」
「健康のためだよ! アンナちゃんは私の補佐なんだから、健康にもっと気を使わなきゃ!」
「いちいち権力を振りかざすな!」
「ほら、頑張れー!」
やれやれ、まだ走り始めたばかりなのになー。
大体それから一時間後。
バテてるアンナちゃんを応援しながら町の周囲を走っていると、近くを流れている川に差し掛かる。
「アンナちゃん見て! 川がすっごく綺麗だよ!」
昨日までヘドロ塗れで淀んでいた川は、水源を浄化したおかげで澄み切った美しい川へと変わっていた。
「はぁっ……はぁっ……。そ、そうか……」
「ちゃんと見てるアンナちゃん?」
振り返ると、アンナちゃんが力尽きて地面に倒れていた。
「見てる……暇なんて……あるか……」
「もう、体力無いなぁ」
昨日のカッコよく戦う姿はどこへ行ったんだろう?
「み、水を汲んで……来てくれないか?」
「わかった、ちょっと待ってて」
この川は、底が深いけど流れは緩やかだから安心して近づける。
早速持ってきていた木のコップを取り出して、川の水を汲む。
「喉が渇いたし私も飲もうかな」
汲んだ水を口に含むと、程よく冷たい水が口いっぱいに広がり、さわやかな喉越しと共に喉を潤していく。
「おいしい……」
思わずつぶやく。
スキルで浄化した水も同じくらい美味しい。
だけど、それがこうやって普通に飲めることがとても嬉しい!
「ふふ、それはよかったわぁ」
「うわ!?」
感動していたら、ザバッと川の中からクインが姿を現す。
「あら、そんなに驚かれるとは思わなかったわ」
「もう、川の中からいきなり現れたら普通驚くよ!」
「でもぉ、いることは知っていたでしょう? ねぇみんな?」
クインが呼びかけると、川の中からクリーンスライムみんながぴょこっと顔を出す。
「まあ知ってたけどさ」
スライムのみんなは水辺のほうが過ごしやすいらしく、川が綺麗になった後クインと一緒にここへ住むことになった。
みんなご機嫌そうにプルプル震えてて、とっても可愛い。
「あ、そういえばクリア様?」
「どうしたの?」
「この子を連れて行ってくれないかしら?」
クインの近くにいたスライムがポヨンと跳んで私の腕の中に飛んで来る。
「ふふっ。みんなと話し合って決めた、クリア様の護衛の子よ」
「護衛?」
「ええ。クリア様は戦う力がないでしょう?」
クインがそう言うと、スライムが腕の中でプルプルと震える。
「アンナちゃんだっていつもそばにいるとは限らないでしょう? だから、その子がクリア様を守るのよ」
「そうなんだ! ありがとう!」
よしよしとスライムをなでる。
「でも大変だったのよぉ。みんな自分がクリア様を守りたいって言いだすから」
「え、そうなの?」
でもなんかわかる気がする。
みんな私に凄い懐いてくれてるし。
「全員連れて行くわけにもいかないでしょう? だから私の力と一番相性が良いその子を選んだの」
「相性?」
「ええ。その子に私の力を少しだけ分けてあげたの。おかげで多少の水魔法と、今まで以上の強さを手に入れたわ。ぜひ役に立てて頂戴」
「本当!?」
昨日の冒険でスライムたちの強さはわかってるし、とっても心強い!
「これからよろしくね! みんなもありがとう!」
そう言ってスライムたちに手を振ると、みんなが一斉にポヨンと跳ねる。
「そうだ、その子に名前を付けてあげたらどうかしら?」
「名前かぁ……」
何がいいかな?
可愛い系は確定として……。
水魔法を使うって聞いたし……だったら……。
「よし、きめた!」
スライムを持ち上げ、顔の高さまで近づける。
「今日から君は――『スラちゃん』だよ!」
「え……?」
クインがなんとも言えない顔をする。
「どうかしたの?」
「ちょっと安直すぎるんじゃないかしらぁ?」
「でも可愛いし、この子だってほら」
スラちゃんが、嬉しそうにプルプル震えている。
「うーん……まあ、その子がいいなら」
「よし、きまり! よろしくね スラちゃん!」
こうしてまた私に頼もしい仲間が出来たのだった。
めでたしめでたし――。
「み、水を……くれ……」
「あ」
道に戻ったらアンナちゃんが干からびたミミズのように倒れていた。
すっかり忘れてた……あはは
その後、怒りのげんこつを受けてできたタンコブを、スラちゃんが頭に乗ってひんやりと冷やしてくれた。
最初の仕事がこんなのでごめんね……。
今回は短いですがキリがいいのでこの辺りで。
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