第百九十話
(大体、佐々木ダンジョンで戦ったオーグルと同じくらいの強さか?)
【極光】の出力は引き上げて、放ったのだが、思いのほかあっさりと、レッサードラゴンの頭を吹き飛ばすことに成功した。
レッサードラゴンは、ワイバーンと同様に魔法耐性があるものの、その耐性はそこまで強力なものではない。
レッサードラゴンにしても、ワイバーンにしても、その機動力が一番厄介な要素であり、攻略する上で気をつける必要があることだ。
(逃げようとしているな)
レッサードラゴンは他のモンスターと比べ、頭がいい。
ワイバーンは人間であれば、直ぐに襲う対象とするのに対して、レッサードラゴンは慎重さを持って、餌を見極める。
ダンジョン内にいるモンスターらしくないモンスターであり、逃げへの移行も、ワイバーンよりもスムーズだ。
(だけど、逃げれるか)
距離は一キロは離れているが、ここにいるのは魔術師である。
俺たちと距離を取ろうとしたレッサードラゴンたちであったが、魔力でできた巨大な網によって捕らわれてしまった。
人喰いペリカン戦でも使った【マジカル・ネット】である。
レッサードラゴンたちは、ブレスによって網を焼き切ろうとしているが、生憎、これは魔力によってできた網である為、強度はかなりのものである。
魔法耐性もこのようなケースでは意味をなさない。
レッサードラゴン程度のブレスでは、離脱するまでに十秒は有するだろう。
そして、十秒もあれば、他のメンバーが距離を詰めてしまえる。
「いただきます」
篠森さんが直剣を抜き放ち、頭を斬り落とす。
そして、竜の頭を細切れにしていた。
「何言っているんですか」
東雲も抜き打ちでレッサードラゴンの首を両断し、頭も上から下まで割っていた。
そのタイミングで、ソフィが最後のレッサードラゴンの眼球にブレスを放ち、ヴァルが投擲した槍が心臓を打ち抜いた。
「れんけいプレイ」
「キュイ」
いつの間にか呼吸を合わせていた、ソフィとヴァルの見事の連携攻撃によって、最後の一体も絶命する。
迅速な連携攻撃によって、一体も残すことなく、レッサードラゴンを討伐することに成功していた。
「どうしよう。あっさり終わっちゃったね」
篠森さんとしては、もっと戦いを望んでいたのか、そんな言葉が出る。
ここまではほとんど蹂躙のようなものであり、戦いといった形相を呈したものはなかったと言えた。
「俺としては十分ですけどね」
摩天楼の第一階層を想定以上に探索できたし、稼ぎも十分だ。
初めて、ドラゴンを狩ることもできたので、俺基準ではあるが、戦いの面でも満足している。
「伊藤君がそう言ってるなら、いいかな」
篠森さんは少し残念そうだったが、今回はここでお開きにさせてもらう。
俺は魔術で身体能力を強化し、全員で草原を走って出口へと向かい、ダンジョンから出ていくのであった。
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