第百六十七話
本日、二度目の更新となっております。
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ワイバーン戦に関しても、特に苦戦する要素はなく、それは第三十九階層も同様であった。
各々の単騎性能が高いこともそうだが、補完する関係性も相まって、チームとしての実力も遺憾なく発揮している。
第三十八階層を攻略し、第三十九階層も同様に踏破し、転移ポータルのある第四十階層に到達した。
第四十階層からは階層内の雰囲気が変わり始める。
壁面や地面の色が黒みを増し、俺たちがよく知るような遺跡とは異なる、文化的な色が見え出すのだ。
(内装も家っぽいんだよな)
これまでは遺跡という感覚であったが、この階層はどこか生活感を感じられる。
それがなぜなのかは分からないが、妙な小奇麗さがより一層不気味さを出していた。
「前回も戦ったので、ご存じでしょうが、この階層にいるのは“オーグル”と呼ばれるモンスターです」
第四十階層を徘徊するのは、【オーグル】と呼ばれる巨人だ。
階層の適正レベルは450~490と第三十八階層よりも、当然高い。
その理由は、この巨人が途轍もなくタフで強いからだ。
(まさか、【極光】が直撃しても、ピンピンしているとは思わなかった)
前回の攻略で、先のワイバーン戦の時のように、【極光】による先制攻撃を仕掛けたのだが、胸部を貫通したにもかかわらず、倒すことは叶わなかったのである。
この魔術は威力に秀でていると思っていたので、貫通させても効かないのは、少し自信を無くしそうになったというか、かなり焦ってしまったのは、苦い思い出だ。
「伊藤さん、オーグルは高い魔法耐性を持っていて、魔法による攻撃は容易には効きません。前回の奇襲は、効いていなかったわけではないのですが、生命力が高いことも踏まえて、攻撃すれば問題はない筈です」
貫通しているということは、ダメージはしっかり通っているということなので、魔法耐性のあるモンスターにも【極光】は機能することは明白なのだが、眉間を打ち抜く程度のことはしないと、致命傷は困難ということだろう。
ただ、ワイバーン同様、普通に【極光】を撃つだけでは、躱される可能性は高いため、工夫は必要だ。
「今回の戦闘では、ソフィにも重要な役割を担ってもらいます」
「キュイ!!」
東雲の周りをぐるぐると飛び回りながら、元気よく返事をするソフィ。
今回の戦闘では、ヴァルとの模擬戦でも見せたような、高い機動力を持った攪乱役が戦闘をスムーズに進めていく上で、重要であるという結論に至っていた。
「オーグルは鈍重ではないモンスターです。しかし、身長十メートルを超える巨体なので、私たちが飛んでいる虫を素手で掴むのが困難なように、オーグルも飛び回っているソフィを捕まえるのは容易ではありません」
それに、ソフィはそこらのモンスターとは違い、竜である。
積んでいるエンジンは一般的なモンスターとは比べ物にならない。
今はオーダーメイドで作ってもらった専用の防具に身を包んでおり、この防具には機動力を強化する効果もあるそうだ。
攪乱に特化した仕様であり、戦闘時には心強い味方となる。
「ソフィ頼んだぞ」
最初の攻撃は、俺が【アイス・カタパルト】を撃つ予定であるが、その後に、ヴァルとソフィが相手をする手筈となっている。
隙がある場合には、俺が魔術でオーグルの気を反らしながら、ヴァルが足元から削る予定だ。
「ヒト、カ」
第三十九階層を進んでいくと、巨人、オーグルがその姿を現すのであった。
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