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サッカークラブメイキング 〜ど素人社長、丸投げされる?〜  作者: 双鶴


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36/55

36話 突きつけられる現実

 三崎陽斗が合格し、

 宇和島オレンジエクストリームは十一人になった。


 練習後のグラウンドで、

 岳は抑えきれない笑みを浮かべていた。


「……揃った。

 ついに、十一人揃ったぞ……!」


 颯が笑う。


「たけしさん、めっちゃ嬉しそうですね」


「そりゃそうだろ。

 十一人揃ったら、もう“チーム”やけん!」


 慎も肩をすくめる。


「まあ、人数が揃うのは大事ですからね」


 直斗はボールを抱えながら言った。


「これで練習も幅広がるな!」


 岳は胸を張った。


「よし!

 これで本格的に動き出せる!

 練習試合も組めるし、戦術も──」


 そのとき。


「たけしさん」


 背後から大畑悠斗の声がした。


 岳が振り向くと、

 大畑は腕を組んでこちらを見ていた。


「……何か、問題でも?」


 大畑は短く言った。


「揃っていませんよ」


「え?」


「十一人では“揃った”とは言いません」


 岳はきょとんとした。


「いや、でも……

 フィールドプレーヤーは──」


「たけしさん」


 大畑は静かに言った。


「GKがいません」


 岳は固まった。


「……あ」


「GKがいないチームは、

 チームではありません」


 大畑の声は淡々としていたが、

 その言葉は重かった。


「シュート練習もできない。

 守備の連動もできない。

 試合も組めない。

 何もできないんです」


 岳は頭を抱えた。


「完全に……見落としてました……」


 大畑は責めるような口調ではなかった。

 ただ、現実を突きつけているだけだった。


「たけしさん。

 あなたは“覚悟”を持つと言いましたね」


「……はい」


「ならば、現実から目を逸らしてはいけません。

 クラブとして前に進むためには──

 “最後の一人”が必要です」


 岳は深く頷いた。


「……分かりました。

 すぐに動きます。

 GKトライアウトを開催します」


 大畑は小さく頷いた。


「それが、クラブの次の一歩です」


 夕陽の中、

 岳の浮かれた気持ちは完全に消えていた。


 代わりに胸に残ったのは──

 責任の重さだった。


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