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赤ずきんを被って森へ入ったら、銀狼が助けてくれました(継母と双子の妹にはもう懲り懲り)  作者: 風野うた
第二章 ブリシア公爵家のアリアドネ

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96 浄化せよ

楽しい物語になるよう心がけています。

どうぞ最後までお付き合いください!!


「皇子、あなたには彷徨っているお嬢の魂を探してもらう」


「魂を探す?―――どうやって?」


「おっ、いい質問だ。清らかな魂の気配を感じやすくするため、まず、あなたの聖なる歌声で皇宮を浄化する」


 ライナスは戸惑う。


 聖なる歌声は穢れを浄化するものだ。皇宮の敷地内には皇族の霊廟もある。


 ここをいきなり浄化したら、想定外の影響が出てしまうかも知れない。


「ゴール、聖歌をここ(皇宮)で歌っても大丈夫なのか?」


「皇子、心配しなくともお嬢の清らかな魂は浄化されたりしない。フッフッフッ~」


 見た目少年、中身はいつから生きているのかも分からない年寄りから小馬鹿にされ、ライナスはイラッとする。


「違う。私が心配しているのはアリアの魂ではない。霊廟のことだ!」


「そなたの先祖に穢れを持った者がいるかもしれないと心配しているのか?」


 ライナスは嫌そうに頷く。


「まぁ、その時は穢れを祓って綺麗になるのだからいいだろう」


「!!」


「あなたの心配しているとおり、晩年に聖なる力が弱まり、穢れをその身に貯め込んで亡くなった者が居てもおかしくはない。今回は良い機会だ。あなたが皇宮をきれいに掃除(浄化)し、ここを神殿として蘇らせばいい」


「蘇るも何も、ここは昔から神殿・・・」


「残念だが、とうの昔に聖域としてのパワーを失っている。だから、いくら浄化しても穢れが減らないのだろう」


「!」


 ライナスと皇帝、筆頭魔術師モージは穢れが減らない原因を知り、衝撃を受けた。


 ミアや警備兵は事の重大さが分からないため、ライナスたちの様子を不思議そうに見つめている。


「細かな話は全てが終わってからだ。さあ、急げ! 今日の日没までが勝負。お嬢の魂が昇天したら、もう助けることは出来ない」


「!!!!」


 今度はその場にいた全員がショックを受けた。


―――失敗したら、アリアドネが死んでしまう・・・。


 現実を突きつけられ、ライナスは気合を入れ直す。


 絶対にアリアの魂を見つけ出してやる・・・と。


「では、検討を祈る。爺はお嬢の側に居る。皇子、浄化が終わったら呼んでくれ」


 そういうと、ゴールは手のひらをヒラヒラと振って、ライナスたちを強引に部屋から追い出した。


♢♢♢♢♢♢♢


 昏睡中のアリアドネにはミアとゴールが付き添っている。


「さてさて、あの子はお嬢が時の属性を持っていることを知らなかったようだ」


 ゴールはアリアドネの手を取り、ブツブツと呪文のようなものを唱え始めた。


 ミアはそれが終わるのを見計らって、気になったことを質問する。


「ゴール様はアリア様の魔法属性をご存じなのですか?」


「おお、失言だ。すまないが忘れてもらう」


 賢者ゴールはミアの目を見て、指をパチンと弾く。ミアはチカッと目に軽い刺激を感じ、パチパチパチと瞬きをした。


―――この一瞬でゴールはミアの記憶の一部を消し去ったのだ。


「ミアちゃん、ハーネス公爵家の長男を連れて来てくれ」


 彼は何事もなかったかのように彼女へ頼みごとをする。


「はい、承知しました」


 ミアはハーネス公爵家の長男ケヴィンを探すため、部屋を出て行った。


 寝室にいるのは昏睡したアリアドネと賢者ゴーンの二人だけとなる。


 ゴーンはアリアドネの前に跪く。


「時を操るアリアドネ様、賢者ゴーンの命を懸けて、必ず御身に魂をお戻しいたします」


 賢者ゴールはアリアドネの手を取り、指先に口づけをした。

最後まで読んで下さりありがとうございます。

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