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赤ずきんを被って森へ入ったら、銀狼が助けてくれました(継母と双子の妹にはもう懲り懲り)  作者: 風野うた
第二章 ブリシア公爵家のアリアドネ

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71 フラッシュバック 2

楽しい物語になるよう心がけています。

どうぞ最後までお付き合いください!!


 封蝋を無事に外して封筒を開くと、爽やかなペパーミントの香りが漂ってきた。


(―――お、お洒落だわ!! 陛下、凄い!!)


 そして、薄いグリーン色の便箋に紺色のインクで綴られている癖のない美しい文字。


(こんなに素敵なお手紙をいただいたのは初めて!!―――でも・・・、気付いてしまったわ。―――本来なら、こういうお手紙をサラッと書けるくらいの女性じゃないと、ライナス殿下の隣に立つ資格がないのよね・・・)


 少し凹みつつ、アリアドネは文字を目で追っていく。


(陛下はとてもライナス殿下を愛しているのね)


 手紙には不肖の息子をよろしく頼むという内容が綴られ、最後に『是非、皇后も交えて内々でお茶会をしよう』と書かれていた。


(皇后さま、ライナス殿下のお母様。ん~、どんな方なのかしら・・・)


 ここで突然、アリアドネの脳裏に鬼の形相でムチを振るう継母の姿が浮かんでくる。


(嫌っ!!)


 思わず目を閉じると・・・。


 バシッ、バシン、バンと背中をムチで打たれた時の衝撃を感じ、火で炙られているような激しい痛みも蘇って来て・・・、アリアドネは顔を歪める。


(あの人(継母)と、もう会うことも無いのに・・・、どうして思い出してしまうの・・・)


 脳裏の人物から逃げたいという一心で、アリアドネは手に持っている便箋を顔に近づけて、ほのかに漂っているペパーミントの香りをスーッと大きく吸い込んだ。


(この爽やかな香りで、嫌な記憶を吹き飛ばすのよ!!)


「スゥ―――、ハ―――ァ、スゥ~~、ハ―――ァ」


 香りを吸い込み続けていると、背中の痛みが治まって来た。それと同時にムチを手に醜い表情で呪詛を吐く継母の姿も薄れていく。


(―――良かった。もう痛くも怖くもないわ。陛下の御手紙のお蔭ね)


 平静を取り戻したアリアドネは手紙を机の上に置いて、ジャミールの前へ戻った。


「バルバラード公爵閣下、お待たせいたしました。陛下に『嬉しいお誘いをありがとうございます。是非、参加させていただきます』とお伝えください」


「承知しました」


「よろしくお願いします」


 ジャミールは顔を綻ばせる。


「ああ~、いい返事を貰えて良かった~」


 彼はアリアドネ達に聞こえるくらいの小声で呟いた後、片手を軽く上げて部屋を出て行った。


「閣下があんなに軽いノリの方だとは思いませんでしたよ」


 ミアは遠慮なくボヤく。


「ええ、気さくな方で助かりま・・・し・・・」


「アリア様っ!!」


 アリアドネはゆっくりと膝から崩れ落ちて、床に倒れ込んでしまう。


「ミア、アリアがどうしたんだ!!!」


 ミアの大声を聞きつけて駆けこんで来る、ライナス。


 彼は床に倒れているアリアドネを見て、頭の中が真っ白になった。

最後まで読んで下さりありがとうございます。

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