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赤ずきんを被って森へ入ったら、銀狼が助けてくれました(継母と双子の妹にはもう懲り懲り)  作者: 風野うた
第二章 ブリシア公爵家のアリアドネ

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69 小芝居

楽しい物語になるよう心がけています。

どうぞ最後までお付き合いください!!


 皇宮職員による大騒ぎがひと段落したところで、一応、お忍びの体で潜んでいた国王が皆の前へ出る。


「父上、今日戻られたのですか?」


 ライナスは父親に対して、色々と疑うところもあったのだが、決して人前では表情に出さない。


「そう。今日、帰って来たよ。初めまして、アリアドネ嬢」


(皇帝陛下を間近で見るのは初めてだけど、とてもお優しそうなお方だわ)


 国王は柔和な表情でアリアドネの瞳をジーッと見詰める。


「父上」


 ライナスは二人の間に割って入った。見詰め合っている時間が少し長く、気になる点があったからである。


「ライナス・・・。アリアドネ嬢、後でゆっくり話そう」


「はい、陛下」


 アリアドネはカーテシーをした。


 以前、ライナスの前で披露した『多分、こんな感じ?』のカーテシーではなく、マナーの講師からしっかりとお墨付きを貰ったカーテシーである。


「ほう、美しい。沢山、練習したのだろうね。ありがとう」


 国王は側近やバーゼル公爵からアリアドネの事情を聞いていた。彼女が家族から不当な扱いを受け、貴族として必要な教育を受けていないということも。


 だから、今し方、国王は自身の力を使って、澄んだ瞳の奥にあるアリアドネの心を読んでみたのである。


――――そこには澄み切った水のように清らかな心があった。


 不当な扱いを受けた人生を恨む心など、一つもなかった・・・。


 アリアドネの心にはただ、ひたすらに自分を救ってくれたライナスに対する感謝の想いが溢れていた。また、自分の失敗で彼に恥を欠かせないようにしなければという緊張感も伝わって来て・・・。


 ここで国王の視線はライナスに遮られた。彼は国王がアリアドネの心を読んでいると気付いたのだ。


「ライナス、良き出会いだ!」


「ええ、運命の出会いというのは本当にあるのだなと実感しました」


「ああ、実際に会ってみて良く分かった。アリアドネ嬢、ライナスと出会ってくれてありがとう。私と皇后とも、末永くよろしく!」


 国王は胸に手を当てて、にっこりと微笑む。


「はい、よろしくお願いいたします」


 国王とアリアドネのやり取りを職員たちはしっかりと見ていた。ここで見聞きしたことは、直ぐに噂となって広がっていくことだろう。


 勿論、国王はそれを計算した上で動いている。そして、ライナスは今更ながら、それに気付いた。


「(父上が急いで帰国したのは貴族たちを牽制するためだったのか!ということは、バーゼル公爵辺りから、アリアのことを聞いたのだろうな。――――『婚約に横やりを入れるつもりなのでは?』と疑った自分の愚かさに呆れる・・・)」


「父上、そろそろ、土砂崩れのご報告をしたいので、場所を移しませんか」


「ああ、そうだね。皆の者、遅くまでご苦労だった」


 国王が締めの一言を告げたので、執事は各部署の長に指示を出す。速やかに部署ごとに国王とライナス、アリアドネの前で揃って一礼をし、続々と解散して行った。


 アリアドネは笑顔を張り付けていたが、心中では混乱していた。


(まさか、大勢の前で陛下から『末永くよろしく』というお言葉をいただいてしまうなんて。これは、もう確定してしまうのでは・・・。ライナス殿下、本当にそれでいいのですか!?婚約破棄が出来なくなってしまいそう・・・ですよ?)

最後まで読んで下さりありがとうございます。

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