46 ニヤリ
楽しい物語になるよう心がけています。
どうぞ最後までお付き合いください!!
「それは・・・」
言葉を濁すアシュレイ。
ライナスは全てが見えてしまった。
――――ジャイルが恩着せがましく何かを要求をしてくる様子が・・・。
ライナスはフゥ~とため息をひとつ吐いてから、隣に座っているアリアの方を向く。
「アリア、クロ―シェ伯爵夫妻と双子の妹たちは逮捕された。裁判が終われば家門の取り潰しも確定するだろう」
(家門の取り潰し・・・。屋敷も領地も・・・すべてが無くなるということね)
「分かりました」
「アリアドネ、私と一緒にピートアイランド王国へ行きませんか? 今後はブリシア公爵の孫娘として生きて行きましょう」
ジョナサンは最初からアリアドネを祖国へ連れ帰るつもりで、ドラクロア帝国へやって来た。
懸念していたラース子爵の仄暗い計画はライナスとバーゼル公爵がタッグを組んで封じ、マティルデと双子の妹の余罪がゴロゴロ出て来たクロ―シェ伯爵家は近々消え去る。
もう、アリアドネがドラクロア帝国に居る必要はない。
だから、ジョナサンは満を持して、アリアドネに隣国へ行こうと持ち掛けた。
きっと、彼女もこの誘いを喜んでくれると信じて・・・。
「えっ!?」
(孫娘として生きて行く? 隣国の公爵家のご令嬢になるということ? それは難しいわ。だって、私は今まで使用人として生きて来たのよ。絶対、おじいさまとおばあさまに恥をかかせてしまうわ)
「―――い、いいえ、私は隣国ではなく、この国で生きて行きます(皇宮で働きます)!!」
ライナスはアリアドネの言葉を聞いて、ニヤリと笑った。
手のひらで口元を覆っていたので、幸い誰にも気づかれなかったが・・・。
「えっ、えええ~!?」
ジョナサンは大声を上げて仰け反る。きっぱりと断られるなんて、想定してなかったからだ。
「アリア、君がこの国に残ってくれるのは嬉しい。だが、祖父母には会いたいだろう?」
「はい」
「ジョナサン、この手紙を持って一足先に帰国してくれないか?」
ライナスはアリアドネの手紙を懐から出した。
「!!」
(あれは私が祖父母へ宛てて書いた手紙!!!)
「ジョナサン、ブリシア公爵夫妻とアリアが面会出来るようにセッティングして欲しい。準備が出来たら連絡をくれ、私がアリアを連れて行く」
「―――かしこまりました」
ジョナサンはライナスの差し出した手紙を受け取って懐へ入れる。
「皇宮から馬車と護衛を出す。遠慮なく使ってくれ」
「はい、お心遣いありがとうございます」
ライナスの依頼を受けたジョナサンは準備が整い次第、帰国することになった。
彼は元々、バーゼル公爵の甥っ子として、皇宮捜査局へ送り込まれていたため、研修期間が終了したという扱いになるだろう。
バーゼル公爵の一斉捜査により、ラース子爵と付き合いのあった多数の家門から逮捕者が出た。
中には後継者が重度の薬物中毒に陥っている家門もあり、ドラクロア帝国の貴族社会はしばらく混乱が続きそうである。
最後まで読んで下さりありがとうございます。
面白いと思ったら評価、感想のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
ブックマーク登録もお忘れなく!!
誤字・脱字等ございましたらお知らせください。




