↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
赤ずきんを被って森へ入ったら、銀狼が助けてくれました(継母と双子の妹にはもう懲り懲り)  作者: 風野うた
第一章 クロ―シェ伯爵家のアリアドネ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
35/148

35 マティルデ

楽しい物語になるよう心がけています。

どうぞ最後までお付き合いください!!


「マティルデ!」


「大きな声・・・。朝から何?」


 屋敷に戻ったクロ―シェ伯爵は妻を叩き起こした。


 今し方、ヴァルチャー金融組合でアリアドネを嫁に出すと決めて来たからだ。


「アリアドネをメイナール男爵家へ嫁がせることにした」


「あら、そうなのね」


 マティルデはメイナール男爵家と聞いても驚かない。


 事前にハロルド(ラース子爵)から教えてもらっていたからだ。


「―――ムチは没収だ。ほら、早く出せ!」


「急かさないで・・・」


「大事な娘に傷を付けられては困る」


「娘ね~、ウフフフッ、商品の間違いじゃなくて?」


 彼女はベッドから身を起こしながら、夫をからかう。


「―――商品? お前は何ということを言うのだ!」


 クロ―シェ伯爵は憤慨する。


 マティルデはフゥ~と息を吐いて・・・。


「そうね、失言だったわ」


 クロ―シェ伯爵がアリアドネのことを『大切な娘』と口にしたのは、今回が初めてである。


 しかも、会ったことも無い男へ嫁がせるために出た言葉だ。ツッコミ処しかない。


 だが、マティルデは何も言わず、彼に謝った。


―――『あともう少しの辛抱よ』と自分に言い聞かせて・・・。


♢♢♢♢♢♢♢♢


 若かりし頃、マティルデはアーサー(現クロ―シェ伯爵)の穏やかな笑顔と優しい言葉に惹かれて恋に落ちた。


 ところが、彼は隣国の公爵令嬢と結婚するといって、彼女を捨てる。


 マティルデは悲しかった、悔しかった、捨てられる原因となった男爵令嬢という身分を呪った・・・。


 その時に出会ったのがハロルド(ラース子爵)だ。


 彼は夜会の席で、シャンパンを片手にマティルデへ話しかけて来た。


『マティルデ、私と組んで復讐をしませんか?』


『―――復讐?』


『ええ、私は一代限りの爵位では物足りないのです。率直に言えば、あなたの復讐相手の爵位が欲しい』


『そんな相手はいないわ』


『そうですか。では、あなたが復讐したいと思う相手が出来た時に、またお会いしましょう』


 ハロルドはニコッと微笑むと、人ごみの中へ消えて行った。


『おかしな人ね・・・』


 ところが、数か月後・・・。


『妻が死んだ。マティルデ、結婚しよう!』


 目の前に現れた元恋人の無神経な発言にマティルデは言葉にならない屈辱を感じた。


―――爵位が低い娘はダメだと親に反対されて捨てたくせに・・・。妻が死んだから結婚しようですって?


 だが、彼女は『バカにしないでよ!』という言葉を口には出さなかった。


 シャンパングラスを差し出すハロルドの姿が思い浮かんだからである。


最後まで読んで下さりありがとうございます。

面白いと思ったら評価、感想のほど、どうぞよろしくお願いいたします。


ブックマーク登録もお忘れなく!!


誤字・脱字等ございましたらお知らせください。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。