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赤ずきんを被って森へ入ったら、銀狼が助けてくれました(継母と双子の妹にはもう懲り懲り)  作者: 風野うた
第一章 クロ―シェ伯爵家のアリアドネ

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29 どういう意味!? 上

楽しい物語になるよう心がけています。

どうぞ最後までお付き合いください!!


 読み終えた手紙を封筒へ入れたあと、ライナスは少し考え込んだ。


(アリア、すまない・・・。私の方が余程、重い罪を重ねている。大嘘をついて君をここへ連れて来たのだから・・・)


 文面は素直な言葉で会ったことのない祖父母へ気持ちを伝えているだけだった。


 彼女を危険視するような内容はひとつも無く、むしろ、クロ―シェ伯爵家の内情の方が気になった。


 伯爵が後妻を迎えるのは特別なことではない。だが、娘を使用人として働かせていたのは大問題だ。


(アリアは隣国の王家の血を引く公爵家の孫娘だ。高貴な血を引く娘を使用人にして働かせるなんて、どうかしている。どうして、彼女を育てるつもりがないのなら、母の亡骸と共にアリアをブリシア公爵家へ返さなかったんだ?―――ああ、考えるだけでイライラしてくる)


「クラウス。―――この手紙の内容くらいで、即座に皇宮捜査官が皇太子宮へ乗り込むのはおかしくないか?」


「はい、僕もそう思います」


 強いていうなら『皇子に嘘を吐いた』という点が検閲に引っかかったのかも知れない。


 ただ、それなら、ライナスが城に戻ってから、確認すればいい。夕方には戻ってくるのだから。


 それにアリアドネは嘘をついた理由も文面にしっかりと記している。


「怪しいのは検閲官か、ジャスパー・カナディか・・・」


 ライナスはボソッと呟く。


 また、この件はクロ―シェ伯爵家の事件と繋がっている可能性もある。


 後から、クラウスが手配書を持って駆けつけて、それが追い打ちになったのだとしたとしても、詰め所でまず事情を聞くべきだろう。


―――人殺しをしたわけでもないのに即投獄など、あり得ない。


「クラウス、他に何か知っていることがあれば、教えてくれないか?」


「殿下、主任(ジャスパー・カナディ)だけは関係ないと思います」


「関係ないとは、どういうことだ?」


「あの方は殿下に・・・」


 クラウスは言葉を止める。


(どうした?言い辛いことでもあるのか?)


――――コンコン。


「ただいま戻りました!」


 声の主は皇宮捜査局の局長ダグ侯爵だった。


 ライナスはアリアドネの手紙を懐へサッと入れて、ドアの向こうへ返事をする。


「入れ」


 ライナスは一瞬前までの穏やかな雰囲気を封印し、ひんやりとした緊張感を醸し出す。クラウスもスッと背筋を正し、表情を引き締めた。

最後まで読んで下さりありがとうございます。

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