なんか汚い思い出
今から約15年ほど前。
クレアはまだ2歳であった。
「クレア。ここはモーリシャス島だ。とても海が綺麗な国なんだ」
父に肩車をされながら見る海は宝石が散りばめられたかのように美しく光っていた。
「ふふ・・・クレアちゃん。この景色は家族にとってかけがえのない思い出になるわ。クリームシチュー使いの子として生まれたからには、異能力バトルは避けられない。こんな旅行が出来るのも最後かもしれないわ」
母は海に釘付けのクレア横顔を見て微笑む。
「それにしてもなんて美しい海なんだ。ん・・・? 海の一部が茶色く濁っているぞ? ママいってみよう」
美しい海と対称的に海の一部が完全に茶色くなっていた。
「パパ。これってまさか・・・ウンコ・・・!!!」
「いや待て・・・ペロッ! これは!!!!おいしいカレーだ!!! よく見ると赤ん坊がカレーの中にしずんでいる!」
そこには褐色肌のカレーに覆われた赤ん坊が沈んでいた。普通ならばすでに死んでいてもおかしくない。しかしパパが赤ん坊を取り上げると、赤ん坊は小さく泣き声をあげたのだ。
「驚いた。一見ウンコまみれの赤ん坊かと思ったが、否。この子はカレーの使い手だ! しかも誰よりもカレーを使いこなしている! カレーに含まれる酸素を吸い、海の中でも呼吸を可能としていた!」
その赤ん坊の生命力はとんでもなかった。恐らく親に捨てられ、海に投げ捨てられていても、生きるのを諦めていない。
そこで家族全員が同じ事を考えた。
【この子を家族にするか?】
ただ、それは簡単な事ではない。クリームシチューの家系のこの家族にこのカレー使いの子がいれば、以下の問題が起こる。
・明らかに血が繋がってないことは周りから明白である。
・明らかに近所にママが不倫してるように見られてしまう。
・将来この子が虐められてしまいウンコを漏らす可能性。
その問題点がどうしても邪魔をし、両親の決心を鈍らせていた。
「ぱぱ。まま。このこおいていっちゃうの?」
「「ッッッ!!」」
まだ2歳であったクレアには細かいことは分からなかった。ただ、確実に助けが今すぐ必要なこの赤ん坊を助けてあげない両親に疑問を抱いたのだ。
純粋で何も先のことを考えられない。だが故に優しく、正しい判断であった。
パパとママは自身を恥じた。自分の保身。この子が将来的に困る。など何処かで理由をつけていた。将来も何も、この子は『今』困っているのだ。
「クレア。この子はおちんちんが付いているから男の子だ。この子は今日からクレアの弟だ。」
「クレアちゃん。今日からあなたはお姉ちゃんよ。なぜならあなたにおちんちんが付いていないから。あなたが守ってあげて」
「うん。おねえちゃんになる。このこはクレアがまもる。」




