どうやったら赤ちゃんができますか?
その赤ん坊は目一杯の愛情を注がれ育てられ、すくすくと育った。
赤ん坊は、なんかインド人っぽいからという理由で『チャクラバルティ』と名付けられた。
ただ、チャクラバルティのカレーの能力はどうしても隠す必要があった。
本人にも他人にも、それが彼が一番幸せに過ごせるただ1つの方法であった。
カレーの能力を高めるにはカレーを沢山食べる必要がある。
そのためクリームシチューの能力を高めるためにはクリームシチューを食べる必要があった。
カレーとシチューは皮肉にも対の存在であった。純白と漆黒、光と闇、松崎しげると鈴木その子といっても過言でない。
そこで両親はチャクラバルティにはクリームシチューばかり食べさせた。
そうすることによりカレーの能力を徐々に弱まり、彼が物心つく頃にはほぼカレーは出なくなっていた。
そのため、チャクラバルティは自身がクリームシチューの使い手と信じ込んでいたため、一生懸命クリームシチューを食べた。
自身の能力が開花されると信じた。だが、それは自身の能力を封じ込める行動に過ぎなかった。
パパとママとクレアは心が痛んだが、その分彼に愛情を注いだ。
チャクラバルティが8歳の時であった。
父と風呂に入るのが日課になっていた。
「ねえ父さん。質問があるんだ」
「なんだいチャック」
「どうやったら赤ちゃんって生まれるの?」
「それはね。男と女がセックスをすると生まれるんだよ」
「へぇ。じゃあ父さんと母さんもせっくす?をしたから姉さんが生まれたんだね」
「そうだよ。パパとママがセックスしたからクレアが生まれたんだゾ」
いつもパパは包み隠さず、正直に正しい知識を教えてくれた。
「僕も父さんと母さんがセックスしたから生まれたの?」
「え・・・。」
「なんで僕は姉さんや父さん達と肌の色が違うの?」
「・・・。」
「なんで僕の額にはインド人がつけるような赤い点が付いてるの?」
「・・・。」
「なんか僕だけ名前おかしいよね。なんかキラキラネームというより違う国の名前っぽいというか」
「・・・。」
「なんで黙るの父さん」
「・・・。」
「・・・どうやったら赤ちゃんが生まれるの?」
「それは男と女がセックスしたらできるんだゾ!」
パパは正直者だが、嘘を付くのが死ぬほど苦手であった。




