タール砂漠の黄塵
「キシシシ! お前の成長ぶりには驚きましたが、相性が悪いですぅ! 固形に液体が勝てる訳がないですぅ!【うどんバリア】がある限りお前の攻撃は届かないです!!」
食べ物タイプの能力はその中でタイプが分かれる。
カレーやシチュー、スープなどの液体タイプ。チャクラバルティやクレアがそれに該当する。
しかし、ねり代のうどんは固形タイプだ。
食べ物バトルでの学説によると、意見は分かれるが基本的に【粘度】の高い固形タイプが有利という意見が多い。
なぜなら固形の方が硬いからである。
チャクラバルティはカレーの勢いを止めずねり代に立ちはだかる。
夥しい量ののカレーが地面を覆う。
「・・・。じゃあなぜ液体タイプのクレア姉さんが学園で一番強いか分かるか?」
「アッ!確かにそうですぅ! でもそんなん知らねぇですぅ! 強いヤツが強いんですぅ!」
「姉さんは液体タイプの強みを知り尽くしている。そしてどんな形にでもそれを具現することができるんだ。うどんにこんな真似が出来ないように」
ねり代の【うどんバリア】が徐々にドロドロに溶けていく。
「なっ! 無敵のうどんバリアが液体のカレー如きにダメージを受けているですぅ!? まさか!?」
よく目を懲らすと辺りは茶色い霧の様なもので覆われていた。
「そう。【夕暮れのモイスチャーホワイトダスト】。姉さんの得意技だ。それをカレーで代用した。【タール砂漠の黄塵】とでも名付けようか」
チャクラバルティの全身の毛穴から放出された【タール砂漠の黄塵】によりうどんが水分を吸い、カレーうどんとなってしまったのである。
「ぐぅぅ! 私のコシのあるうどんがカレーうどんに・・・! 学年50位の私がこんなやつにぃ! ぐわぁぁぁぁぁ!!!!!」
とうとう【うどんバリア】は破壊され、ねり代はカレーのガンジス川の激流に流されるかの如く、吹き飛ばされた。
「ねり代。お前は液体タイプは固形と相性が悪いと言った。でも大事な事を忘れていたんだ」
「カレーとうどんは相性抜群だということを」
チャクラバルティは初めて自分の力で勝利を収めた。
「・・・チャック!」
しびれを切らしたクレアはカレーまみれのチャクラバルティに駆け寄り、抱きつく。
「姉さん。僕、勝ったよ」
「しってる。頑張ったねチャック。わたしも頑張った。何度も貴方を助けそうになってしまった。」
クレアは愛する弟が傷ついた時には必ず助けに入っていた。それは過保護なんてレベルではなかった。
しかし、初めてそれを見届けた。弟を愛するが故に。自身を鬼にしてでも。
「ねえさん。教えて欲しい。僕がカレーの能力に目覚めたということは・・・」
「……チャック。カレーまみれ。私も白濁のシチューまみれ。なんだかイケないプレイのあとみたいで背徳的」
「姉さん。誤魔化さないでよ。僕たち・・・姉弟じゃないんだね」




