7 ダンジョン探索よりパーティ名が優先されたんだが
「すいませーん、この依頼受けまーす」
「えーと、最近発見されたダンジョン、ドゥダールの探索ですね。パーティ名とパーティランクをどうぞ」
「うん?」
ふいっとアリエントさんは視線を逸らす。忘れてたな?
「えーと?先にパーティ登録を行って下さい」
「あ、はい」
パーティランクは全員のランクの平均で決まる。あたしとコル君がEでアイナちゃんとアリエントさんはCだから、Dランクになるのかな?あ、パーティ名どうしよ。
「パーティ名は『ゆるふわ』がいいなー!好きなんだ、『ゆるふわ』」
「アイナちゃん、パーティ名としてそれはどうなの?」
「はい!ユキネさん!『美幼女ユキネたんの友達』で!」
「ネーミングセンス皆無ですねアリエントさんは!?」
「『勇者(笑)から逃げる』」
「うん。止めよ?的確だけど、止めよ?」
これは酷い。うん、酷いよ。
「ねえ、こうしてみると『ゆるふわ』がいいと思わなぃ?」
「思わなぃ。うーん、いっそ国旗に月があるんだし、適当に月関連でつけるかー」
「じゃあー、『ゆるふわまんげつ』」
「ゆるふわから離れようか」
「はい!『月よりキレイなユキネたん』で!」
「ちょっと黙っててくれます!?」
「『勇者(笑)を月に飛ばしたい』」
「うん。さっきから本音出すぎ」
ダメだ、こいつらは。かといってあたしもセンス無いしなー。
「もう『ゆるふわ』でいいかな…」
「でもー、ユキネは何かないん?」
「あたしセンス皆無なんだよー。う~ん。月かー。『銀の月光』とか?」
「ふつーによくない?」
「ユキネたんハアハア」
「決定」
何か約一名壊れてるぞ。あなたギルド職員でしょ?受付嬢さんが引いてるよ。ほら。
「えーと、Dランクパーティ『銀の月光』で登録します」
「……。はっ。はい、かしこまりました」
「じゃあこの依頼受けまーす」
「オッケーで~す…」
受付嬢さんがやつれている。うちのメンバーがすいません。
「あーっ、いたっ!さあ今日こそ助けて頂けますよね!?」
「げっ」
「勇者(笑)を月に飛ばしたい」
おい止めろ、このタイミングで言うんじゃない。絶妙にパーティメンバーにしか届かない音量で呟くな。みんなぷるぷるしてるよ、ここ腹筋のトレーニング場だっけ?
「よし、みんな。逃げるぞ」
「りょうかーい。ユキネはいつもの配置で」
「え?潰さなくていいんですか?」
「アリエントさんは物騒だしー。勇者(仮)なんだからー潰しちゃダメだし」
「勇者にはなりませんから!絶対に!」
「はい、出発」
「勇者(笑)から逃げる」
「ぶっ」
あーほら腹筋崩壊しちゃった。ま、いっか。ああ、勿論待ち伏せ対策で遠い門から出ます。勇者さんの行動原理が単純すぎる。




