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女神コンスルタのなんでも屋、下界支店!  作者: 兎夜 るびい
第一章 開店準備
5/27

5 ギルドに美少女がいたんだが

「うちのパーティに来てくれ!」

「おい、抜け駆けは許さんぞ!」

「バカね、女性パーティの方が良いわよ、あたし達のパーティで決まりでしょ!」

 ある日のギルドは、すごく騒がしかった。どうやら、一人の冒険者を巡って勧誘対決が起きているようだ。どれ、鑑定。


NAME:セリア・パレンネーロ

SPECIES:兎獣人

AGE:15

LEVEL:30

LUCK:4

JOB:勇者Lv10(使用不可) 魔法士Lv5 占術士Lv3 斧士Lv17 薬師Lv6

HP:4200

MP:677

SKILL:アイテムボックス 斧術 身体強化 勇者の資質 不運 鑑定 解体 魅力 成長促進 全力

 薬学 限界突破 魔法学 詠唱短縮


 なるほど、勇者(予定)か、そりゃーパーティに入れれば有名になれるチャンスよね。それに女子だからモデル体型。でも不運スキル持ちで今勧誘されてるってことは、勇者になるつもりはないんだろう。それならスルーでいいかな?まあ勇者だとしても不運持ちとかトラブルメーカーの匂いしかしないしなー。いらんわなー。あたしも全部スキル取ったから後でデバフ付くんじゃないか、だって?ちゃんとリスクしかない地雷スキルは除けてるに決まってるじゃないすか、やだなー。

 とりあえず、みんな今日はあっちで忙しいから、あたしらで色々依頼を消化しておこう。貢献&ポイント稼ぎ。

「あ、あの、ぼくは勇者にはなりませんから…」

「もー謙遜しなくていいのにー!」

 ぼくっ娘かよ、一人称ぼくはもういるんだよ。ますますいらねー。まあぼくと僕でニュアンスは違うけど。

「アリエントさーん、この依頼受けまーす」

「ありがとうございます!今日が締切なんですよ、この依頼。今日はもうみんな仕事しないかなと絶望してたんですよ!」

「ついでに薬草とか諸々の常設依頼進めときます」

「神ですか」

「大げさですよ。じゃあ行ってきまーす」

「はい、上位種には気をつけてくださいねー」

 スライムボールの収集依頼とか、よく残ってたな。これ、らくらくな上に報酬がいいから、すぐ無くなるんだよ。

 さて、アリエントさんの声量が思ったより大きくて、勇者さんに見つかったので、縋り付いてくる前に出発しますか。

「彼女はするーしていいのかい?」

「あたしは一向に構わん」

「そっかー」

 よし、ギルドの外に出てしまえばこっちのもんよ。銀髪のハーフエルフなんてそこら中にいるからね。同じく黒髪の人間だって…いないんじゃね、そんなに?黒髪赤目って珍しくね?

「ユキネだって銀髪だけど蒼目じゃないか」

「おおう、口に出してた?」

「顔に書いてあった」

「マジかー」

「それより、ラストスライムなんだから集中しないかい?」

「やだ」

「どやがおで言うことじゃないと思う」

 おおう、あたしの呟きが徐々に吸収されつつある。あ、ラススラ死んだ。解体。

「常設依頼の素材も集まってきたし、帰るかい?」

「そうだなー、まだギルドが混乱してる内に報告して、今日はもう宿でゆっくりしようぜ」

「さんせーい」

 そうこうしている内にギルドの前まで来た訳だが。

「…入れねええ」

「人、増えてるねー」

 ギルドは勇者さんのせいで入れなかった。具体的に言えば人垣で。

「しかたない、宿からギルドが空くまで見張ってよう」

「そうだね」

 と、人垣から一人の少女が飛び出してきた。…勇者さんじゃん。逃げよう。

「あーさっきの人!助けてくだしゃいいいいい」

「悪いけどこれから依頼人と会うんで無理!いくぞ、コル君」

「あれ、報告だけでいい依頼じゃないのかい?」

「空気読めよー!!」

「嘘つきましたねー!ほら、早く助けてください!ほら!」

「だが断る!コル君、逃げるぞ!」

「はーい。ヒュー、ユキネを乗せてって」

「ワフッ」

「うわあん待ってください!『スピードアップ』!『スピードアップ』!身体強化!限界突破!」

「助けを求めるのに全力をつくすなああああ!そこまで強化できるなら逃げれるだろおおお!」

 町の外まで出るともう勇者さん以外いなかった。そして追い付かれた。

「ぜえっ…ぜえっ…」

「あっ…意識が…」

「ワフゥ…」

 あたしは叫びすぎて酸欠だった。ヒュー達狼は足が限界を迎えてへたりこんだ。勇者さんは色々重ねすぎて効果が切れてぶっ倒れた。

「ヒュー、大丈夫かい?」

「最初に心配するのそこかよ」

「ユキネは自業自得じゃないか」

「否定出来ない…」

「で、どうするんだい?」

「街の外といってもすぐ近くだし、あたし達だけでゆっくり別の門から帰ろうか」

「おっけー」

「待って話を聞いて下さいお願いします」

「ちっ、もう起きたのか…」

「話を聞いてくれないなら毎日ギルドの入り口の前で張り込みしますから」

「あっそ、じゃあ勝手にしろ。コル君、帰ろう」

「はーい」

あたしは、ギルドで報告をして帰った。


 翌朝、ギルドの受付が始まる前から勇者さんは張り込みしていた。そして夜受付が終わるまで。ちなみに無駄な努力である。持ってて良かった、職員との繋がり。毎日アリエントさんにおすすめ依頼を紹介してもらい、それを受理して、帰ったら夜受付が終わる前にアリエントさんが宿を訪ねてきて報告を受け取る、の繰り返し。勇者さんは毎日律儀に張り込みをして、ギルドの前に人垣を作っていた。数日もすると人垣を構成する中から冒険者が消えた。依頼をこなさないと生活が苦しくなったからだ。

 一週間もすれば冒険者やギルドから苦情が出たようで勇者さんは張り込みが出来なくなった。代わりに数日ごとに当たりを付けてやってくるようになった。宿から見てるから来てない時を見計らって依頼を受けに行くのは簡単である。

「そろそろメンバー増やそうかなー、剣士とか」

「それは名案」

「あとは暗殺者(アサシン)かな。罠解除が出来る人がいればダンジョン探索ができるし。魔法系は最悪あたしが何とかするから、物理だよ、やっぱ」

「募集貼り出す?」

「せやね。えーっと、剣士と暗殺者募集っと」

 よし、貼り出すか。

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