24 一ヶ月後
ああ、今日はいい天気だ。今日もまた、運の女神エナシェルディア様に感謝して、一日を過ごすとしよう。そう思い、そっと教会を出る。ちなみに教会のステンドグラスには明らかに相談の女神の印が入っているが気にしない。気にしないったら気にしない。あんな駄女神は知らない。
「今日も異常なし?」
「うん、今コル君が収穫してるしー」
「にしても平和だ……」
「寝坊するロリコンが永遠に寝てればもっといいしー」
「呼びましたか?ユキネたん!?」
「何こいつどうなってんの」
「いや、呼んでないしー。そのまま寝てろしー」
「あれ、今日は起きるのが早くないかい?」
「おーコル君」
「フユもいますよー雪姉様」
「はよー」
看板をひっくり返す。営業開始だ。にしても、暇である。つい一週間前、オープン初日までは準備したりランク上げたりでてんやわんやだったのに、始めてみればまあ、客足も少ない、相談者はもっと少ない。暇オブ暇。超ホワイト。ホワイトすぎて逆にびっくりだ。二日に一回来ればいい方。むしろそんなに来られても困るので全然構わないのだけれど……。
「およ?ユキネたん、誰かが戦ってる気配がします。しかもこの気配はロリ!」
「マジか」
ロリコンセンサーぱねえ。
「よし、冬音出動」
「あいさ」
餅は餅屋。あたしに戦う力などないのだ、冬音に任せた方が早いし確実。もしやこれが噂の連れTUEEEE!?大変だ、あたし今連れTUEEEE状態だ。いやでもなあ。冬音はたしかに紛うことなきTUEEEEだけども……。他は一癖も二癖もあるし、TUEEEEって程でもない。
「ただいま戻りました雪姉様!」
「おおう、その子ボロッボロやな」
「ロリっ子が……これは世界の損失……!しかもツインテ!」
「とりあえず手当するしー」
「それが優先だね」
にしてもこんな綺麗な髪見たことないな。しかも左右で色が違う。金と銀だ。薄手のブカブカした白いワンピースで、結構透けている上に背中が裂けている。まあ可愛いっちゃ可愛い。しかし、深い傷はなさそうだ。ボロッボロ、とは言ったが大体は擦り傷で、後は汚れてるとかその辺。
閑話休題。
幼女をベッドに寝かせると、手当する。一通り済ませたところで幼女が目を覚ました。
「うう……」
「可愛い……。目がくりくりしてる……」
「大丈夫かい?」
「うーん、よく寝たぁ。あれ、ここは……?むむぅ、確か我は温泉に行ってた筈なんだぁ。あれぇ?我の温泉まんじゅうはぁ?」
「我っ娘!!新しい!可愛い!ヤバい!」
「黙れしー」
「あ〜、コンちゃんだぁ!なんだぁ、ここコンちゃんのお店だったんだぁ!内装変えたんだぁ?」
「コン……」
「ちゃん……?」
そう呼ぶ声に、コンちゃんなる者を突き止めようと視線を辿れば、そこに居たのは悶えるロリコンだった。
「はぁあ、可愛い……っ。て、あれ?何で皆さんこちらを見て……」
「ロリコンの知り合い?」
「これの知り合いしー?」
「あれ?ロリコン?コンちゃんってそんな名前だっけだぁ?」
「いや違いますよ!?」
「え?ロリコンのコンでコンちゃんでしょ?」
「いや違いますよ!?私の名前はアリエントですよ!?」
「で、ロリコンの知り合い?」
「スルーしないでええ!」
「むー?アリエントー?ん〜……。ごめん、人違いだぁ!」
「なんだ」
「良かったしー」
「割と素で傷付いた!」
またなんか、面倒な予感がする。




