13 お茶の間なんだが
「ああああぁ、温まるう」
「ゆっくりしていくと良いよ」
まさかこの世にコタツが存在するとは!バハムートに感謝。コタツミカンとお茶は至高だと思うんだ、あたし。それにしてもアリエントさんは来れるんかね?鏡で見ている分には、ロリコンの眼力で偽物を見抜いてヒャッハーして調子に乗ってトリモチに引っ掛かってるけど。
「ひぇっ、ドラゴンだしー!」
「ユキネ、なんか寛いでないかい?すごくふやけてる……」
「おー、お疲れー」
ああ、駄目だ、眠気が……。やはりコタツは人を駄目にする。おこたはね、いいよ。あったかくて、すごくきもちいいんだ。
「ああ、もう、駄目だ……」
「ユキネちゃん!?どしたし?」
「……Zzz……」
「……寝てるね、ユキネ」
「あはは、流石コタツだね。恐ろしい魔力だ」
「喋ったしいいいいぃ!?」
なんかきこえる。でも、どーでもいーやー。
「ぅぅぉぉぉィユゥキィネぇとぅぁあん……」
……どー、でも……、良くねええええええ!
「!緊急回避!( ゜д゜)ハッ!」
「馬鹿な、躱された!?」
「自重しろロリコン!」
「あーやっと来たしー」
何故だろう。あたしに安息の時が続かないんだが。
「そーいや、ダンジョン攻略ってどうやって確認すんの?」
「あー、攻略されたらー、ダンジョンの前に魔法陣が出てー、攻略パーティが出て来るしー」
「それで、ダンジョンの入り口から中に居た人達が吐き出されてダンジョンが消滅しますね」
「……ダンジョン都市は、攻略されたらどうするんだい?」
「多分、攻略者を祀りあげてグッズとかを売るんじゃない?」
「あはは、強かだよね」
※一応ダンジョン内です。約一名ドラゴンが混じっています。
あー、この後外に出てー、天使と落ち合ってスキル回収……できんのか?転生の女神って黒幕ポジだよね?うん、絶対になんかあるね。きっとこれからも『連れTUEEE』状態が続くんだろうなー。いや、TUEEEと言えるのかは微妙なラインだけど。
「ユキネたん可愛い!かわいい!カワイイ!カワ(・∀・)イイ!!」
「やかましいわ!」
「いやーこんな犯罪級の(ハァハァ)可愛さは、(ハフハフ)なかなか出せません、(ハァハァ)これは堪りませんよ!あーもう部屋に飾りたい」
「……コイツはもう駄目だし。置いていくのが一番だし」
「なんてことを言うんですか、私はこんなにもユキネたんを思っているんですよ!……こんなにも!」
「うわあ!抱き着くなロリコン!」
「……混じれないね」
「あはは、そうだね」
疲れるロリコンだけど、使えるロリコンでもあるのが腹立つ。
「……こんなにも、私は」
「なんか言ったし、変態」
「ユキネたんペロペロ、ですが?」
「キモッ!」
うん、まあ、このノリって良いね。やっぱり疑るのは悪徳だよ。
「……このサイコロ、確実にヤバい物だよね?なんか攻略報酬というより、体よく擦り付けられてないかね?」
「あはは、良いじゃないか、別に。仲間が転送されても残ってたのは文句を言うためかい?」
「まあ、サイコロ好きだけど。運の女神様だけはずっと信じてるからね」
「……君は……。いや、運は良いよね」
「分かってくれるか」
「実はボクの知り合い、といっても故人だけど、その人が運が大好きでね」
「それは惜しい人が亡くなったもんだ。名前くらい聞いておこうかな」
「……彼女は、ユヅキ・スエルテ。最後まで幸運で、自由で、お節介で、眩しい子だった」
「……そっか」
これしか言えなかったのは、きっと。
きっと、その時の顔が、とても寂しそうで、懐かしそうだったからだろう。




