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ナナイロシチヘンゲ  作者: タイヘイタ
1章:生存権の確保
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精神を落ち着かせるためにも自分の持っている武器を確認しておこう。まずは刀。もちろん切ることが目的だが、鉄の塊だ、叩きつけるだけでも十分強い。


ただ難点としては人間に戻らないと満足に扱えないことか。人間の能力で野生の狼を3頭相手取れるとは思えない。ましてや俺だし。


次はこの狼の体での武器、爪・牙ぐらいか。いずれも幼体だからそれほど大きくない。・・・絶望的だろこんなの。


いや、次だ。スキルがある。確か、【噛みつき】と【回転】だ。どちらも実践経験がないからどれほどの効果があるのかは分からない。


この少ない手札を使ってなんとかやるしかない。すぐ近くで草が擦れる音がした。もう近くまで来ている。覚悟を決めろ。


後からして二手に分かれたみたいだ。挟み撃ちにするつもりなのだ。こちらとしてはありがたい。どちらかは必ず1頭になっている。


どっちが1頭なんだ。音に集中する。・・・ひだり・・・いや、みぎ。左だ。左に向き身を屈め迎撃態勢をとる。


その瞬間。1体の狼が草むらから飛び出してきた。後ろからも気配を感じる。俺は後ろを無視し前の狼の喉を目掛けて跳んだ。


低く構えていたお陰か狼の下に潜り込み喉に噛みつけた。コレは絶対に離せない。こんな幸運がこの先もあるとは思えない。


スキルの【噛みつき】を意識する。コレがどんな効果を持っているのかは知らない。咬合こうごう力が強くなることを願って。


狼が首を振って落とそうとしてきた。離さない。更に顎に力を入れる。口の中に血の味が広がってきた。狼の激しさは増していく。


しばらく耐えていたが限界が近づいてきた。勝負を仕掛けるしかない。首を振る勢いに身を任せ、体を最高点に置く。


スキルの【回転】を意識した。回転の勢いが強くなるように。狼の力+自重+【回転】の力を合わせる。【噛みつき】も意識し噛みつく。


体が狼の首を一周したとき口の中でボキンッという音がした。それと同時に狼が倒れた。俺は空中で体勢を整え地面を踏みしめる。


目の前には戸惑う狼が2頭。まさか倒されるとは思わなかったようだ。どんなもんだい。余裕があるかのように牙を剥いてみせる。


『ウロルチドがウロタードを倒した』

『ウロルチドは127の経験値を得た』

『ウロルチドはレベルが5に上がった』


『ウロルチドは以下のスキルから1つ習得できます』

『【引っ掻き】

 【遠吠え】

 【思考】』


『ウロルチドは新たなスキルを発明しました』

『【首折回転デスロール】』


頭の中にアナウンスが流れた。いつものだけかと思ったが、1つ違うのが流れてきた。考えたいことはあるが今の状況を乗り切ってから。


【引っ掻き】のスキルを習得する。他のスキルは今習得しても意味がない。その点、【引っ掻き】は即戦力だ。


『ウロルチドは以下のスキルから1つ習得できます』

『【遠吠え】

 【追跡】

 【思考】』


続けざまにまたスキルのアナウンスが流れた。どうやら一気にレベルが上がってもちゃんとレベル毎のスキル習得は出来るようだ。


スキルはどれも微妙。その中でも比較的マシな【思考】のスキルを習得した。もうスキル習得のアナウンスは流れなかった。

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