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ナナイロシチヘンゲ  作者: タイヘイタ
1章:生存権の確保
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何事もなく目覚めることができた。ホント初日にこの木を見つけられたのは運がよかった。おかげで見知らぬ場所で安全に夜を過ごせる。


人に戻り軽くノビをする。木の中は寝転がれるとはいえ足を伸ばせる訳のが唯一のデメリットだ。それを打ち消すほどのメリットがあるけど。


刀を手に取って壁に3本の線を描いた。昨日一日歩き回っても整備された道は見つけられなかった。暫くはこの森で過ごすことになりそうだ。


となれば、食糧の確保が急務だ。昨日一昨日と偶々獲物を見つけられたが、そんな運は長くは続かないだろう。


罠とかが作れたら探しに行かなくても良くなるが、そんなものは作れない。無い物ねだりをしても仕方ない。


いい案が浮かぶまでは行動あるのみだ。ミウチビイ木を離れ昨日通った道を辿り川へと向かう。今日もまずは水浴びからだ。


汚れを落としたい。昨日は転げ回って砂まみれになってしまった。あと、臭いが消えて獲物を探しやすくなったらいいな、という思いを込めて。


川について辺りを見渡すが誰もいない。遠慮なく浅瀬で数回転がってから立ち上がる。今日もいい天気だし自然と乾くだろう。


そういえばここで待っていれば、他の動物が水を飲みにここに来るかもしれない。上から見たときは川は見えたが湖は見えなかった。


水分補給は大体この川でするに違いない。もしかしたら他にもあるかもしれないが、それは明日以降に探しに行く。


今日は川周辺を探索しよう。まずはここから川の流れに沿って下って行こうか。川から少し離れて歩き始めた。


川の方を見ていると何回か魚が跳ねた。あの魚が取れたら食糧には困らないんだけど。釣り竿なんかないし、こんな状況で呑気に釣りはしていられない。


目線を前に戻すと遠くに狼が見えた。数は3。嫌なものを見つけてしまった。1対3というだけでも嫌なのにそれが狼とか。


見なかったことにして戻ろう。そう思い振り返ろうとした。けど、判断が少し遅かったようだ。目の端で3頭の狼がこちらに頭を向けていた。


全速力で駆け出した。どうする?ミウチビイ木に戻るか?…いや、止めた方がいいか。木の中に逃げ込めたとしてその先は餓死が待っているだけだ。


川から離れながら来た道を戻っていく。川の方に追い詰められたら生き延びるのはまず無理だろう。森の中なら奇跡的に狼たちを撒けるかもしれない。


後ろも碌に確認しないでひた走る。直線だけでなくたジグザグに曲がりながら。ただ、いつまでも走っているわけにはいかない。


こちらはただでさえ幼体で体力がないというのに、刀というお荷物を持っているんだ。持久戦では分が悪い。


先を見れば今までより木が密集して生えていた。草も伸び放題となっている。もうここで迎え撃とう。これ以上体力を削るのは危険だ。


後ろを見ると3頭の狼が互いに一定の距離を保ちながら追いかけてきていた。幸いにも仲間は呼ばれなかったようだ。


姿勢を低くして出来るだけ草で身体が隠れるようにする。木の裏に隠れ少しでも体力を回復させる。ここが正念場だ。何としてでも生き残るぞ。


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