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ナナイロシチヘンゲ  作者: タイヘイタ
1章:生存権の確保
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改めて残りの2頭を見やる。2頭は逃げる様子もなく互いに距離を取りつつ詰め寄ってきていた。どうしようか。


恐らく同じことは出来ないだろう。でも、普通に噛みつきにいっても簡単に対処される。相手の意表を突き続けるんだ。


勢いよく振り向き木に飛びつく。【引っ掻き】で木を抉りながら駆け上る。ある程度上ったところで木を蹴って狼に跳びかかる。


口を大きく開けて如何にも噛みつくように見せかける。狼は慌てず少し横に動くことで落下点から逃れた。


お返しとばかりに狼が口を開け迫ってくる。予想通り。前足を目いっぱい伸ばし横に【回転】する。【引っ掻き】も強く意識しつつ。


爪が何度も狼に当たる感触を感じながら狼の横を通り過ぎる。着地のことを全く考えていなかった。


背中を地面に打ちつけ転がった。痛みを堪え立ち上がる。狼を探す。左を向くのと目の前に黒い塊があった。


それが狼だと分かる前に吹き飛ばされた。空中で何とか体勢を整え着地する。体当たりしてきたのは引っ搔いたのと違う狼の様だ。


引っ掻いた方は顔の左側から血を流して暴れている。運がいいことに片側の目を潰すことができた。嬉しい誤算だ


爪を見ればレベルが上がる前に比べて2回り程大きくなっていた。【引っ掻き】のスキルのおかげだろうか。


何とか弱っている方から倒したいんだが。もう1頭がそれを許してくれそうにない。俺に体当たりした後、傷ついた狼の傍に戻った。


2頭に目掛け走り出した。ちんたら考えている暇はない。弱った方を速やかに倒す。地面を【引っ掻き】加速する。


跳ぶ。今度は縦に【回転】する。爪に力を入れる。さあ、どうする。避けるか?そうすれば左が見えないもう1頭に当たるぞ。


狼は避けた。傷ついた狼は見捨てる選択をした。状況が分かっていない狼の腹に爪が刺さった。さっきの【引っ掻き】で薄くなった所に当たった。


【回転】の勢いを乗せ狼の腹を破った。今までの比じゃない量の血が飛び散った。さすがの狼も立っていられずその場に倒れた。


あと1頭。狼の位置を確認する前に横に跳んだ。目の前を狼が通り過ぎた。同じ手は通じない。頭をもう少し使わないと。


狼は仲間を踏みつけ木に激突し目から火が出た様だった。無防備になった首に【噛みつき】。さっき開発したスキルを試してみるか。


身体を軽く振って【首折回転デスロール】を強く思う。噛みつく力が増し回転の勢いがついた。


さっきと同じように口の中でボキンッと鳴った。狼は木に凭れ掛かるようにして倒れた。…やったか。


『ウロルチドがウロタードを倒した』

『ウロルチドは125の経験値を得た』

『ウロルチドはレベルが6に上がった』


『ウロルチドは以下のスキルから1つ習得できます』

『【遠吠え】

 【追跡】

 【相乗】』


神たちのアナウンスが流れた。ちゃんと倒せたようだ。でも、まだあと一回足りない。少し離れたところで腹から血を流す狼が倒れている。


浅い呼吸を繰り返している。あれだけの傷を負いながらもまだ生きていたらしい。狼に近づく。血に濡れた目で睨んできた。


今、楽にしてやる。首に【噛みつき】折った。狼が少し痙攣しすぐに静かになった。


『ウロルチドがウロタードを倒した』

『ウロルチドは126の経験値を得た』

『ウロルチドはレベルが7に上がった』


『ウロルチドは以下のスキルから1つ習得できます』

『【遠吠え】

 【追跡】

 【相乗】』


また流れた。これでヨシ。疲れた。生き残れたのは運が良かったとしか言えない。何か1つでも歯車が違えば倒れているのは俺だった。


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