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ナナイロシチヘンゲ  作者: タイヘイタ
1章:生存権の確保
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それで、《トマノル》に変化したんだっけか。狼の時と同じで倒したままの姿では変化できない様だ。まぁそれはいい。


それよりも見た目が《トドレフ》と《トマノル》に違いが見当たらないのが気になる。どちらも普通のウサギよりも耳が大きいこと以外至って普通だ。


トドレフなんて耳を真っ直ぐにピーンってしてるし。死後硬直だろうか。心なしか耳に光沢がある様な気がする。


人間に戻り手に取った。硬い。不自然なほどに硬い。ウサギの耳って死んだらこんなに硬くなるのか?触った事がないから比較しようがない。


「いってぇっ!」


耳を握った瞬間に強烈な痛みが走った。思わずウサギを投げ飛ばしてしまったが気にしていられない。右手からは血がにじんできた。


よく見てみると真っ直ぐ切れていた。あの耳そこまで鋭利だったのか。クソっ、油断した。右手を抑えながら投げだしたウサギを拾いに行く。


耳に注意して持ち上げる。耳はナイフの様に切れる側と切れない側があるみたいだ。これはうまく使えばナイフに出来るんじゃないか?


刀で耳を根元から切り離した。意外と根元も硬く、悪戦苦闘しつつも何とか出来た。刃の部分に気を付けて持ち、近くの草を切ってみた。


草は軽く切れた。思っていた以上に切れ味が良い。気持ちは黒曜石のナイフ。良いなコレ。ただ問題は耐久性か。


草を切っただけで僅かにだが刃こぼれしている。予備を幾つか持っていた方が良さそうだ。幸い1体から2本は取れるから、あと2体くらい狩ればいいか。


取り敢えず、残りの耳も切り落とした。さて、狼になった食べようか。の、前に。せっかくナイフが手に入った事だし皮を剥いでみる。


刀じゃちょっとやり難かったんだよな。皮なんて剥いだことがないから適当に剥ぐことになるんだけど。


ウサギを仰向けに転がし腹を耳ナイフで開く。で、肉と皮の間に耳ナイフを入れて脂を切りながら剥いでいく。


売り物にする訳じゃないから適当に。破れても構わない。頭は皮を剥がず首を刀で落とす。大体20分くらいで終わった。


疲れた。でも頑張った甲斐あって、ウサギは頭と肉と皮に分けられた。ダメだ、腹減った、すぐに狼になって肉に喰らいついた。


肉を食べつつ考える。何かを考えていたはずだけど…なんだったっけ…あぁ、そうだ。スキルだ。3つ目が習慣由来なんじゃないかってヤツ。


これを確かめるには狼が絶対しない様な、ゲフゥ、事をすればすぐに分かるか。狼がしないような事ねぇ…


歌うか。絶対やんねぇだろ、コレ。うし、早速歌ってみるか。口の中に残ったカスを飲み込み、息を吸い込んだ。


「グルゥ!……ガフ…」


…まぁ、分かっていたけどね。狼の口で歌える訳なんかないって。次。何があるか。絶対しない事、絶対しない事…


そうだ!転がって移動するのはどうだ。四本脚があるのにわざわざ転がって移動するなんて狼がする訳ない。転がるだけなら狼の身体でもできる。


よし、コレで行こう。後は、出来るだけ考えない様にしないと。また、3つ目が【思考】だったら本当に習慣由来なのかどうかが分からなくなる。


オレ、コロガル。テキ、タオス。


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