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決着

 襲いかかるコボルトに俺は[遅延]の魔法を重ねて連発する。


 するとその体をみるみると目に見えて速度を落とした。


 その隙に鈴華が躍り出る。


 回数制限の残り少ない魔法書(火)による魔法攻撃で銀色の体毛を燃え焦がし、更に剣による追撃を試みる。


 [遅延]によって行動速度に制限のかかったコボルトは本来の力を出す事が出来ない、がしかしそれでも鈴華と互角の戦いを演じる。


 これだけのハンディーがありながらその卓越した体術でもって飛び交う剣閃をひたすらに捌いていく。


 ダメージ量的に有利であるのは明らかに俺たちだが、動きのキレはコボルトの方が上。


 [小治癒]では体力までは回復できないという欠点がここで出た形だ。

 

 俺は残りのMPを気にしながらも魔法発動のタイミングを伺う。


 今は射線上に鈴華がいるため無闇に魔法は使えない。


 なら、できる限りの支援を、と[影縛]でコボルトの体を拘束する。


 これで数秒の時間くらいは稼げる。


 影に捕まりもがくコボルトに鈴華は容赦なく攻撃を加える。


 しかしこれでもまだ死なない。


 タフすぎるその生命の灯火は依然として消えようとはしない。


 そして、見た目満身創痍のコボルトはその体からは想像もつかない程のパワーで影を引きちぎる。


 危険を悟った鈴華はバックステップで数歩分後退する。


 この時、コボルトへの射線が開いた。


 俺は手を綾辻は銃を構えた。


「[闇弾]!!」


 闇が銃弾を形作りそして射出される。


 勢いよく放たれた魔法は、[遅延]の重ねがけによって動きの鈍ったコボルトを容易く貫いた。


 咄嗟に急所を庇った左腕はボロボロになって激しく流血している。


 そこに更に追い討ちがかかる。


 ドパンという銃声。


 綾辻の放った一条の銃弾は、赤い光を纏い螺旋状に回転しながらコボルトの眉間へと吸い込まれていった。


 ――即死の一撃。


 コボルトの体は支える力をなくし地面へと叩きつけられるように倒れ伏した。


『ま、だ……まだ、死ね……な……』


 本来であれば喋ることなど出来る筈が無い攻撃を食らったコボルトはそれでも諦めまいと口を開くが、どんどんと呼吸は浅くなり、瞳から力強さは消えていく。


『死にたく……な……』


 最後の言葉を言い終える前に、その命は終わりを告げた。


 美しかった銀色の体毛は煤で汚れ、血で汚れ、土で汚れ、そして憎悪に汚れていた。


 それはとても儚く、悲しい想いを俺たちの胸へと植えつけた。


 ◆


 《レベルが上がりました》

 《レベルが上がりました》

 《レベルが上がりました》

 《レベルが上がりました》

 《レベルが上がりました》

 《レベルが上がりました》


 《固有スキル:『復讐』が発動しました。対象から一つスキルを奪取出来ます。選択してください》


 奪取可能スキル一覧


 固有スキル

『銀気解放』


 スキル

『体術』Lv.13

『縮地』Lv.10

『咆哮』Lv.10

『威圧』Lv.9

『剛力』Lv.6

『人語理解』Lv.5


 魔法


 ――


 レベルが一気に6も上昇した。


 そしてシルバリーコボルトのスキルを一つ奪取出来る……と。


 あの激戦を勝ち抜いたのだから妥当な報酬なのかもしれないな。


 そんでもって当然だが、奪うのは固有スキルの『銀気解放』。


 このスキルには散々苦しめられた。


 俺がこのスキルを使えるようになれば更なる戦力増強につながることだろう。


 そして後は膨れ上がったスキルポイントの使い道だが、これは後回しにする。


 今は疲れでそれを考える気力も無い。


 ぐったりとその場に座り込み、一息ついた俺に鈴華と綾辻が寄り添ってくる。


 二人とも俺同様に体力も気力も使い果たしてしまったのか、ぺたんと硬い地面に座り込む。


 各々が疲れた、腹が減った、体が痛いと軽口を叩き合う。


 数分の談笑の後、鈴華がある疑問を持ちかけた。


「あの、ところで……姫菜さん、さっきの赤い弾は何だったんです?」


 それは俺も気になっていたところだ。


 あんな奥の手があったなんて聞いていないぞ、とジト目を向ける。


「ん……あれは『錬金術』で氷を弾丸に混ぜてから『性質逆転』で高温化した……だけ」


 そう言われてハッと思い出した。


 さっき氷が欲しいといっていたのはこのためだったか、と頭の中で独りごちる。


「それよりも、早くここ……出た方がいいかも」


 綾辻にそう言われて周囲を見渡す。


 俺の視界にはフローリングの床にいくつもの大穴が開き、壁はボロボロになった今にも崩壊しそうなほど不安定な校舎の姿。


「たしかにこれは……やばそうだ」


 俺たちは疲労でもつれそうになる足を気合いで動かして校舎から脱する。


 校舎を出てすぐに目に入った校庭には血の海が広がっていた。


 五、六十人分程の死体がゴロゴロと転がり屍の山を築き土砂を赤く染め上げるその様はまるで地獄絵図のようだった。


 が、俺たちはそれに顔色一つ変えることなく歩を進める。


 もうこの程度のことで動揺することも無くなってしまった。


 そしてそれは本来、人として無くてはならない感情が欠落してしまった事実を如実に表しているということに俺たちはまだ気づいていなかった。




そろそろ忘れている人の為に主人公のステータスを載せようかと思います!


ステータス

――名前:黒乃 新


職業:魔法師


レベル:16


HP :160/160(10)

MP :960/960(60)

筋力 :32(2)

耐久 :240(15)

精神 :320(20)

敏捷 :32(2)

器用 :80(5)

魔力 :480(30)


固有スキル 

『復讐』

『魔法簒奪』

『透明化』

『王者の威圧』

『銀気解放』


スキル

『痛覚耐性』Lv.6

『恐慌耐性』Lv.7

『精神耐性』Lv.6

『疲労耐性』Lv.5

『毒耐性』Lv.2

『火耐性』Lv.3

『物理攻撃耐性』Lv.6

『観察』Lv.9

『魔力操作』Lv.2

『自己治癒』Lv.8

『気配隠蔽』Lv.1

『MP増強』Lv.1

『魔力強化』Lv.1

『魔力回復』Lv.1

『短剣術』Lv.3

『集中』Lv.2

『身体強化』Lv.1



魔法

『闇魔法』Lv.2

[暗闇]

[闇球]

[暗視]

[影縛]

[闇弾]

[闇槍]

[影鞭]

[影沼]

『雷魔法』Lv.1

[雷球]

[帯電]

[麻痺]

『時空魔法』Lv.1

[加速]

[遅延]

[収納]


――


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