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鈴華崩壊

 奪取可能スキル一覧


 固有スキル 

『王者の威圧』


 スキル

『咆哮』Lv.3

『統率』Lv.3

『カリスマ』Lv.2

『大剣術』Lv.5

『筋力増強』Lv.3


 魔法


 ――


 これが、コボルトキングの持っていたスキル。


 やはり、というべきなのか固有スキルを持っていた。


『王者の威圧』……もしかしてあのコボルトキングから感じた威圧感はこのスキルが原因だったのかもしれない。


 いや、十中八九そうに違いない。


 そうなのだとしたら、戦闘をするにあたって物凄く有能なスキルと言えるだろう。


 ということで、迷うことなく『王者の威圧』を奪取する。


 ――さて、綾辻たちは今どうなってるか。


 危ないようなら早く助けに行かないと。



 ◆


「はぁぁ!!」


 私は迫るコボルトジェネラルに盾を突きつけ、牽制。怯んだその瞬間に懐に入り込んで右手に握られた片手剣を一閃した。


 剣から肉をえぐる感覚がダイレクトに伝わってくる。


 最初は気持ちが悪かったこの感覚ももう慣れて今では特に何も感じることはない。


 剣を軽く振って刃についた血糊を払い、再び構える。


 コボルトジェネラルも両手に槍を握りしめて睨みつけてくる。


 しかし今更その程度で怯むほどヤワじゃない。


 しばらくの静寂。


 先に動いたのは私だった。


 まずは[閃光]の魔法で目を潰す。


「グギャァァァァ!!」


 絶叫を上げながら目を抑えて悶え苦しむコボルトジェネラルに接近。


 剣を大上段に構えて振り下ろす。


 自身の全体重をかけ、振り下ろされた一撃はコボルトジェネラルを切り裂き、重傷を負わせたと言ってもいい。


 しかし、レベル差が大きいせいかそれだけでコボルトジェネラルのHPを全損させるには至らなかった。


 目も徐々に回復してきたようで鼻息を荒くさせ、鋭い眼光で私を睥睨する。


 ポタポタと口から零れ落ちる唾液が獰猛な獣を連想させる。


 ――いや、そういえばこれも獣みたいなものだったか。


「ガァァァァ!!」


 コボルトジェネラルは身長ほどの槍を構え、再度詰め寄ってくる。


 私は盾を身体の前に構えて防御態勢に入る。


 長槍によるコボルトジェネラルの渾身の一撃と私の盾が衝突する。


 結果――私はあまりの衝撃に盾が手から離れ、コボルトジェネラルの槍、その石突きにヒビが入った。


 結果としては両者ともにほぼ互角。


 レベルはコボルトジェネラルの方が高い、が私には魔法がある。


 その唯一とも言える利点を生かして膠着状態に入る前に早く決着をつけよう、ともう一度[閃光]の魔法を発動させる。


 眩い光が周囲を包む。


 私は光が収まる前にコボルトジェネラルに向かって疾駆する。


「ハァ!!」


 走ったままの勢いを乗せて横薙ぎに剣を振るう。


 ――取った!


 背後まで回り込んでうなじを狙って振るわれたその一撃は当たれば必殺のものとなっていただろう。


 そう、当たれば……。


 私が勝利を確信したその一撃は直撃の寸前で左腕を犠牲に避けられた。


「チッ!」


 普段はしないような舌打ちが思わず口から出る。


 コボルトジェネラルは苦しげな表情で喉を鳴らしながら、しかし警戒を解くことなく油断なく私を見据えている。


 私は落としたままの盾を一瞥するが、今拾いに行くことはできそうにない。


 盾のことはこの際すっぱり諦める。


 元々は剣だけでの戦い方を習っていたのだと思うと気持ちも少しだけ楽になった。


 剣を両手でもって正眼に構える。


「ハァァァァァッ!!」


 気迫のこもった叫びと共に動き出す。


 コボルトジェネラルはそれに反応して槍を突き出す。


 が、しかし左腕を失った今さっきまでの勢いは見る影もない。


 私はその攻撃を嘲笑うように軽々と余裕を持って回避、攻撃に移る。


 剣を横腹に突き立てる。


 グチュグチュと肉を抉り、掻き出すように強引に剣を引き抜く。


 ビチャビチャと鮮血が飛び散り宙を舞う。


 その時今まで感じたことのない不思議な高揚感が私を襲う。


 ――ああ、あいつらにもこんな目に合わせてやりたい。


 唐突に駆け巡ったこの感情。


 薄れていた復讐心が私の中に蘇り、自然と口角が釣り上がる。


 もう抵抗できないほどの怪我を負い、目から感情の色が消え失せたコボルトジェネラルにこれでもかと剣を突き刺す。


 一回、その体に刃を突き立てる毎にこの体を支配する復讐心が増大していく。


「ふ、ふふっ! あははははは!!」


 私の中の何かが、壊れた音がした――。


 《レベルが上がりました》


 そのアナウンスはこの時、私には聞こえていなかった。








鈴華の復讐の始まりダァ

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