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中学校

 《レベルが上がりました》


 頭の中に響くアナウンス。

 それが、これで俺のレベルが9になったということを知らせてくる。



 取得可能スキル一覧


 ・『雷魔法』

 Lv.1

 [静電撃](1)

 [帯電](1)

 [麻痺](1)


 ・『時空魔法』

 Lv.1

 [俯瞰](1)



 ・『魔力視』(1)

 ・『魔力感知』(1)

 ・『魔力隠蔽』(1)

 ・『魔力譲渡』(1)

 ・『身体強化』(1)

 ・『MP変換』(1)


 ――


 取得可能なスキルの一覧が表示される。


 前回はスキルポイントを全て使ってしまったので今は2ポイントということになる。


 つまり今回取れるスキルは最大二つ。


 なら――これかな。


 俺は[帯電]と『身体強化』を選択する。

 一応、接近されたときのことを考えてのことだ。


 勿論、そう簡単に接近戦に持ち込まれないよう配慮はするがそうもいかない相手だっている。


 今回の『透明化』のスキルを持っていた相手が最たる例と言えるだろう。


 あの時[帯電]の魔法を持っていたならその性質上、相手に攻撃される事は無かっただろう。


 それに『身体強化』。


 これは筋力や敏捷といった能力値の低い俺が接近戦をするにあたって必ず必要になるといってもいいものだ。


 このスキルがなかった場合、俺は一瞬で力で押しつぶされて終わり、すぐに死んでしまうだろう。


 よってこの選択に間違いはない――筈だ。


 そんな思考に耽っていた俺を鈴華が呼び覚ます。


「先輩! 大丈夫でしたか!?」


「ん……ああ、大丈夫だ。怪我……はしたが、もう治ってる」


 鈴華は不安げな表情で詰め寄ってくる。


 隣でそれを眺めている綾辻もどこか心配そう表情だ。


 ――やはり一人で戦うというのはダメだっただろうか?


 二人の不安を払拭する為、出来るだけ明るい声を出すよう心がける。


「だから大丈夫だって。それよりも早く出発しよう。下手したら日が暮れちまうかも知れないぞ」


 そうだ、本来の目的はあの男達の撃退などではなく、鈴華の親御さんを探す為に避難所を回る。


 そういう予定だった。


 多少の予想外の出来事で予定が狂ってしまった。


 早く出発しないと、さっき言ったように本当に日が暮れてしまうかも知れない。


「わ……かりました」


 まだ納得いっていない。そんな思いを滲ませた顔で、しかし俺のいうことももっともだと車に乗り込む。


 綾辻と俺もそれに続く。


 前面が壮大にぶっ壊れた車に全員が乗り込むのを確認して、発進する。


 エンジンやらの走行に必要な部分に支障はなかったようで今のところ問題なく進んでいる。


 それはいいのだが、誰もなんの話もしようとしないため車内は静寂に包まれていた。


 なんか、お通夜みたいな雰囲気だ。


 そんなことを思っていると唐突に綾辻が口を開きこの静寂を切り裂いた。


「ねぇ……黒っち。私も、鈴華も強くなる為にあれが必要なことだっていうのは分かってるよ……でも、私、あんまりああいう戦い方……して欲しくない……な。黒っちが傷つくの見たく……ないよ」


 運転席に座ってそう話す彼女を見ると、その大きな瞳に薄っすらと涙を浮かべ悲しげな表情でこちらを見つめていた。


 鈴華もそれに続く。


「私も、先輩が傷つくの……いやです。少しは私の事も頼ってくれてもいいんですよ?」


 鈴華も鈴華で心配そうに、それでいて少し悲しそうにそう口にする。


「……すまんかった。次からは出来るだけ、そうする」

 

 俺は殊勝な態度で当たり障りなく返答する。


 二人も一先ずはそれで納得したようで車内の冷たい雰囲気は緩和された。


 そしてそれから約十分後。


「やっと着いたのか……」


 一番最寄りの避難所に到着した。


 まあ、避難所と言っても学校――中学校――なんだが。


 門は閉まっていたので車は校舎の外に止めておく。


「さて、この門……どうする?」


「……壊す?」


「いやいや、流石にそれはダメですって!」


 鈴華は首を横に振って綾辻の意見に反対する。

 まあ、綾辻も本気で言っていた訳ではないと思うが……。


 結局どうするかと三人で話し合い、出た結論は――侵入だ。


 門自体はよじ登ることができる程度の物なのでたいした問題ではない。


 問題はそのあと。


 無断で侵入したってお前誰? みたいな感じになって鈴華の親がここにいるかを聞くどころじゃなくなるだろう。


 ということで、俺が『透明化』を使って俺を含めて三人を透明にする。


 そうすれば余計な面倒もなく探れるって物だ。


 因みに『透明化』は自分以外の人間も指定できる。


 これは元々の所有者であったあの暗殺者の男も俺たちの前に現れた時に使っていたことから出来ると判断した。


 俺は『透明化』スキルで俺、鈴華、綾辻と順番で透明にしていく。


 このスキルの唯一の欠点は透明になった人はお互いに何処にいるのか分からないというところだが、手を繋ぐことで解決した。


 やっぱり俺の見立て通りこのスキルは当たりだったみたいだな。







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