『透明化』
《固有スキル:『復讐』が発動しました。対象から一つスキルを奪取出来ます。選択してください》
奪取可能スキル一覧
固有スキル
スキル
『家事』Lv.3
『剣術』Lv.2
『威圧』Lv.2
魔法
――
固有スキル
スキル
『詐術』Lv.3
『槍術』Lv.2
『集中』Lv.2
魔法
――
本日二度目のアナウンスが鳴り響いたが、俺の期待は裏切られた。
やはり固有スキル持ちはこいつらじゃなくて、残りの二人のうちどちらかということになる。
今殺した二人のスキルで特に欲しいのはなかったが、取り敢えず役に立ちそうな『威圧』と『集中』を奪取しておく。
チラリと残った二人の男達に目を向けるとその顔には畏怖の表情が宿っているのが見えた。
今にも逃げ出しそうなほど腰が引けている。
しかし逃げる事は出来ないと悟ったのか各々油断なく武器を構える。
さっきと同じように俺は『鑑識眼』を発動させ、ステータスを覗き見る。
ステータス
――後藤 潤
職業:指揮官
レベル:4
スキル
『速読』Lv.4
『指揮』Lv.1
『応援』Lv.1
『高速思考』Lv.3
魔法
――
ステータス
――木下 雄二
職業:暗殺者
レベル:4
スキル
『気配隠蔽』Lv.3
『気配察知』Lv.1
『短剣術』Lv.1
魔法
――
この二人はさっきまでの奴らより一つレベルが高い。
それでもまだレベル差はあるが、少しだけ俺の中の警戒レベルを引き上げる。
指揮官の男は盾を長剣を構えている。
対応するスキルは持ってないみたいだが……本来は護身用なのだろう。使い慣れているという印象もない。
暗殺者の男もそこまで強そうには見えない。
細身の体であまり肉の付いていない、いかにもインドア派の人間といった感じだ。
この時俺は調子に乗って油断、慢心していたのだろう。
指揮官の男が動いた。
盾を前にして少しずつジリジリと近寄ってくる。
俺の視線はその男に集まり、暗殺者の男への注意を怠ってしまった。
俺はさっきと同じように特に構えることもなく指揮官の男を見据える。
そして、俺との距離があと10メートルといったところまで近づいたその時――。
「ぐあっ!」
突然背中に痛みが走った。
咄嗟に後ろを振り返るが――何もいない。
周りを見渡すと暗殺者の男がいなくなっている。
――そうか、あの固有スキル。
忘れていた。もともとの目的がそれを奪取する事だったというのに……。
鈴華と綾辻も流石に心配したのか駆け寄ってくるが、俺はそれを手で制する。
「来るな……俺にやらせてくれ」
さっきは油断した。
透明になる固有スキルになんの対策も考えていなかった。
俺は感覚を研ぎ澄まして周囲を見回すが、どこに隠れているのか見当もつかない。
いつでも魔法を発動できるように警戒しているが、暗殺者の男は一向に攻撃してこない。
――もしかして、逃げた?
そんなことが頭を過ぎった。が、それは杞憂に終わり、又もや背後から攻撃を加えられる。
その瞬間に[影鞭]によって横薙ぎに攻撃するが、手応えがない。
避けられたか。
このままだと俺が嬲られて終わる。
いや、危なくなったら流石に鈴華と綾辻が出張ってくるだろうが、それは俺のプライドが許さない。まあ、そんなものあってないようなものだが。
あんな啖呵をきった以上俺だけの力でなんとかしたい。
なら、どうする?
俺の今切れる手札はなんだ?
透明化のスキルをどうにかするには何をどうすればいい?
考えて考えて更に考える。
そして俺は一つの解に辿り着く。
[収納]の魔法で溜め込んでいた水を辺り一面にぶちまける。
そこに[雷球]を投げ込む。
すると――。
「っ――ぎゃぁぁぁぁあ!!」
丁度俺の背後から悲鳴が聞こえてきた。
振り返るとそこには痙攣しながら地面に倒れ臥す暗殺者の男がいた。
どうやら作戦は見事にハマったみたいだ。
「く、くそッ!!」
指揮官の男が庇うように倒れたまま動かない――正確には動けない――暗殺者の男の前に躍り出る。
心の優しい人間ならここで逃してやる奴もいるのだろうが、俺はそれに分類されない。
一度敵対したのなら、殺す。
またいつ狙ってくるのかも分からない奴らを生かす理由も義理もメリットもない。
「[闇槍]」
俺の掌から黒い槍が射出される。
それは一直線に男達に向かっていき――貫いた。
指揮官の男は盾を構えてなんとか守ろうとしたようだったが、その甲斐もなく[闇槍]は盾すらも貫き、二人の命を奪った。
《固有スキル:『復讐』が発動しました。対象から一つスキルを奪取出来ます。選択してください》
奪取可能スキル一覧
固有スキル
『透明化』
スキル
『気配隠蔽』Lv.3
『気配察知』Lv.1
『短剣術』Lv.1
魔法
――
本日三度目のアナウンス。
これが三度目の正直というものなのかついに目当ての固有スキルが手に入る。
意気揚々と『透明化』のスキルを頂戴する。
指揮官の男からは攻撃を受けなかった為、スキルの奪取はできなかったが、満足する結果と言える。
その後、数瞬の間を置いてまた俺の頭の中にアナウンスが鳴り響いた。
《レベルが上がりました》――と。
実は新作でも書こうかと思っているんですが、アイデアが全く出ません。
どうしよっかなぁ〜。




