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ショップ万能論

 情報の交換ということでまず、俺の固有スキルについて教えることになった。


「俺は殺した相手の持ってるスキルを奪える『復讐』と魔法を奪える『魔法簒奪』っていう固有スキルを持っている」


 そう話した時、綾辻は驚きのあまり固まって動かなくなり、鈴華は叫びだした。


 ――そういや、鈴華にもまだ言ってなかったんだっけ。


「言ってないですよ! なんですかそれ、そんなスキルずるいですよ!」


「いや、ずるいって言われてもな……」


「確かにそれは……ズル……チート……バグ」


 散々な言われようだな。


「あー、もうこの話はいいだろ……俺はもう眠いんだ。さっさと終わらそう」


 俺はブー垂れる二人を無視して話を進めていく。


「さて、次は鈴華の『守護障壁』についてだな……まあ、これは一日一回だけどんな攻撃でも防いでくれるってスキルだ。俺はこれも結構な良スキルだとおもってるんだが」


「ん……確かにそう。でも、黒っちの固有スキル程じゃない。だからやっぱり黒っちの固有スキルはチート……QED」


「だから、それはもういいだろ……」


 呆れた風な表情が顔に浮かぶが、自分でもあのスキルはとんでも性能であることがわかるだけに言い返せないのが辛いところだ。


 はぁ、と一つ溜息をついてからまた口を開く。


「そんじゃあ、次は――」


 この後も、二時間ほどの時間を要してお互いの持つ情報の殆どを交換した。


 その間、幾度となく俺の固有スキルがチートだと糾弾されたのは言うまでもないことだろう。



 ◆


 昨日は随分と長く話をしていたせいか、また寝る時間が遅くなった。


 俺はベットから飛び起き、時間を確認する。


 現在の時刻は午前十一時過ぎ。


「やば」


 意識していたわけではないが、声が漏れた。


 部屋を出て洗面所で顔を洗い、ある程度髪を整えてからリビングに赴く。


 やはり、と言うべきか女性陣の二人はもうとっくに起きていたようで、楽しそうに談笑していた。


 随分仲が良くなったように感じる。


「おはよう」


 軽く手を上げて朝の挨拶をする。


「遅い……」


「おそようございます」


 が、綾辻は苦言を呈し、鈴華は苦笑いしている。


 まあ、起きるのが遅かった自分が悪いんだが……。


「そんなこと言うくらいなら、起こしてくれても良かったんじゃないか?」


 ふと、思いつきで言ったことだった。


 別に本当にやってくれるとは思いもせずに言ったこと。


 それが、まさか……。


「いいんですか!?」


「いいならいいと……先にいって……明日は私が……起こしに行く」


 マジでやってくれるなんて思わないだろうが。


「い、いや、冗談……」


「いえいえ、遠慮しないでください。また先輩が寝坊したら大変ですからね……私が! 起こしに行きます」


「んん……私が……起こす」


 二人は何故か乗り気で撤回するつもりもないみたいだ。


「はあ、わかった……好きにしてくれ」


 結局自分が寝坊しなければ二人が起こしにくる必要もなくなる。

 ということで、俺は諦めて承諾した。


「それじゃあ、まずはお昼ご飯にしましょうか!」


 鈴華はにっこりと笑みを浮かべ、台所に向かった。


 そして当然のように綾辻は何もしない。


 まあ、別に構わないが……。


 ◆


 鈴華が作った昼食を平らげると、各々装備を準備し始める。


 俺は死神の礼装と護身用として鉄の短剣、そして増幅の指輪を。


 鈴華は銀の聖盾と鉄の長剣、魔法書(火)を。


 綾辻は一丁のスナイパーライフル――レミントンM700という狙撃銃らしい――を担ぎ、さらに何丁かの拳銃も隠し持っていた。


 銃声がうるさくないか? と質問したらショップでサイレンサーを買ったから問題ないと言われた。


 っていうか、ショップってそんなのも売ってたんだ……万能かよ。


 ショップの有能さに感心していると唐突に鈴華が言った。


「やっぱり鎧とか、体を守る装備みたいなの……欲しいですよね」


 確かに……必要かもしれない。

 今まではなんとかなっていたが、俺や綾辻はともかくとして前衛に立つ鈴華には必要なものだろう。


 うーん、どうするか……。


「鎧なら……ショップにあった……筈」


 はい来た、ショップ万能論。


「それならガチャがいいです」


 こっちはガチャに目覚めちゃったか……。


「鈴華の好きにすればいいんじゃないか? 自分を守るものだし、自分の納得するものを身につけるべきだ」


「は、はい! じゃあ、ガチャやります! 今やります!」


 鈴華は興奮した様子で鼻息荒く残りのポイントを確認している。


 確か、防具ガチャは一回10,000ptだった筈……。


「今の残りポイントが50,000ptだから……五回は出来ますね」


 昨日の戦闘で大量のポイントが入ったのだろう多少余裕はあるみたいだ。


 流石に五回も出来るならそこそこのランクの鎧は手に入るだろ。


 なんて思っていた時期が俺にもありました。


 ――やっぱ鈴華って運ないわ。


「また、ランク3ですよぉぉぉ! しかも鎧じゃなくてローブ! これで4回目……」


 鈴華は四回、全てランク4以上の物が当たっていない。これがランク3でも、鎧が当たってたならまだ良かった。でも、全くもって当たらない。まるで、鎧に嫌われているような、そんな感じがする。


「最後、これが最後。お願いします!!」


 鈴華は全神経を指先に集中させ――最後のガチャを回す!


 ――ウイングブーツ


 ランク:4


 分類:防具


 説明:敏捷値に補正がかかる靴。一瞬だけ空中で浮くことができる。

 ――


「なんでなんですかぁぁあ!」


 鈴華はあまりのガチャ運の無さに絶叫する。


 なんというか、哀れというより可哀想だな。


 運試し……ということで俺も一度だけやってみる。


 すると――。


 ――魔鋼の鎧


 ランク:4


 分類:防具


 説明:魔鋼鉄で作られた鎧。途轍もなく頑丈である。

 ――


「あ……」


 当たった……鎧。


「なんでなんですかぁぁぁぁ!」


「お、おい泣くなって……もう、これ上げるから!! お願いだからもう泣き止んで!?」


 あまりの運の無さに絶望した鈴華を慰めるのには中々の時間を要した。



自分の文才が無さ過ぎて泣きそうです。

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